アルプスの少女ハイジ
一日一話ずつにしようと思いつつ、ついついやみられない。
お乳の出が悪く大きくならないユキちゃんが"ツブされる"事になり、衝撃を受けるハイジのエピソード「かなしいしらせ」は凄まじい。
「どうしてなの? どうにもならないの?」とペーターやおんじに何度も問いかけるハイジに、「村の連中は可愛がるためにヤギを飼ってるんじゃない」「世の中にはどうにもならないことがたくさんある」と、ごまかしの無い返事が返ってくる。このあたりの高畑勲節は素晴らしい。
薬草を食べさせて乳の出をよくするしかないと、希望を提示してからの展開がまた抜群で、恐ろしい高台にある薬草をとりにいったハイジがあわやと言うシークエンスでは妥協のないサスペンス演出に舌を巻きます。高度感や圧倒的な危機感をあおる宮崎駿のレイアウトの凄味は言うまでもありません。
何も起きない日常をしっかり描くハイジのクオリティも絶品ですが、ついやっちまったという感じで無茶面白くしてしまうあたりも最高ですな。