黒澤生誕100周年で嬉しい文庫化
橋本忍の名著が文庫化されました。もう無茶苦茶面白いので、ぜひ読んで欲しいです。
黒澤明との共同執筆のエピソードが中心になっているのですが、『七人の侍』のアイデアを思いつくところとか、『生きる』で激怒する黒澤とか、『七人の侍』を箱根の宿でずっと書いているときとか、黒澤のキャラがやったら面白くて最高です。しかも、さすが名脚本家だけあって「語り口」や「構成」が目も覚めるような巧さ。鳥肌が立ちまくりますよ。
http://d.hatena.ne.jp/su1/20090608/p1
黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて (文春文庫)
posted with amazlet at 10.03.13
『トラ・トラ・トラ』の監督降板がどうして起こったのかと言うノンフィクション。知らない事がたくさん分かってビックリします。
こちらは黒澤の毒舌が堪能できます。アメリカ側の監督であるリチャード・フライシャーをぼろくそに言うんですよ。ははは。
『赤ひげ』以前のいわゆる全盛期についてはよく知っていても、『暴走機関車』の失敗から躓きまくる黒澤に関しては知らない事が多いんですよね。
ボク個人が”ナマの”黒澤を認知したのって、やっぱりカンヌで『影武者』がグランプリをとってからですからね。