男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

朝十時の映画祭『ある日どこかで』


人間は一本は傑作が作れる

ジョーズ2』『燃える昆虫軍団』『サンタクロース』『スーパーガール』のヤノット・シュワルツ監督作品。

個人的に『ジョーズ2』は嫌いじゃないんですが、どう考えてもフィルモグラフィから浮いているのがこの傑作『ある日どこかで』。

ところが、「素晴らしい……」と溜息が出るような見事な演出が多数あって、「本当にヤノット・シュワルツが監督なのか?」と失礼なことを考えてしまう。ははは。

撮影(イシドア・マンコフスキー)も素晴らしく、湖畔のシーンで紗がかかったフィルター処理はシークエンスにピッタリ。

そして、何と言ってもジョン・バリーの音楽が素晴らし過ぎる。ラフマニノフの名曲を使うように提案したのも彼だそうだが、あんな良い曲に負けないような美しいメロディを作るんだからたいしたもんです。

リチャード・マシスンの脚本も実によくて、従来の作風とは違うながらも、「らしい」ところがハッキリとあるのが嬉しい。特に大好きなのはタイム・トラベルを成功させるための段取り。そして、何度やっても上手くいかないリチャードが、あるモノに気付いてやっと成功するあたり。ロマンスなのにああいうところで「説得力」を生み出すのはマシスンならではです。


ニュープリントでの上映と言うことですが、特にレストアされているものではなかったようで、昔のフィルムの質感が残っていてコレはコレで大変雰囲気が出ていて良かったです。字幕も手書きフォントだったし。音も大変キレイに再生されていて、TOHOシネマズの面目躍如という感じでした。

これからの上映も期待できますね。