第二回配本迫る
いよいよキテレツ登場!
まだ夢の中のような気分の藤子・F・不二雄大全集刊行ですが、早くも一ヶ月経って第二回配本が近づいてきました。25日の予定です。
今回は『ドラえもん』だけ続けて二巻が発売されますが、その他は『エスパー魔美』と『キテレツ大百科』がそれぞれ発売されます。
『エスパー魔美』はカラー原稿が収録されているのがポイントで、今までモノクロでしか読んだことが無いボクは楽しみです。久々に読みたいのをグッと我慢してましたから、単純に早く読みたい。
高畑さんの素晴らしい人間性を象徴する名台詞
「理くつじゃないんだよ、人をしんじるってことは。」
と共に、シリーズ随一の異色短編オチが共存する傑作『魔女・魔美?』が収録されているのも凄い。アレはとにかく「厭なもの読んだ」という気分にさせられる。F先生恐るべし。
なぜかアニメが大長編化して、もしかしたら今では『ドラえもん』と並ぶほどアニメの馴染みが深い作品かもしれない『キテレツ大百科』。原作の知名度はあんまり無いのかもしれませんし、全集でも全二巻になっていますが、とにかく外れなしの傑作揃いです。
キチンと最終回がある作品としても、『新オバケのQ太郎』と並んで個人的に評価の高い作品です。
あと、従来のび太キャラであるはずのキテレツがドラえもんのポジションに位置して、のび太のポジションをなんと最初に作られたロボットであるコロ助が担当しているのも抜群に面白い。F先生のこの柔軟さは驚異的。
つまり、のび太が破壊的に面白いのと同様、コロ助も主人公としてかなり面白爆発。そもそも基本目が互い違いってだけで笑えます。
↑コロ助畢生の名セリフ。カラクリ人形なのに「じゃんか」とか、現代に染まりすぎてるのを「ナリ」でムリクリ中和してるのが大爆笑。F先生の言語センスの凄味を十二分に感じさせる。
あと、ドラえもんと違って道具をキテレツが自分で作るってのも面白いんですよね。妙に説得力のあるディティールがまた素晴らしくて、ドラえもんの傑作『人間製造機』のテイストがここでも遺憾なく発揮されています。
そして、『ドラえもん』。前述の傑作恐怖譚『人間製造機』も収録されていますし、前代未聞のミステリー『シャーロック・ホームズセット』も収録。
他にも”最高級フランスケーキ”でお馴染みの『ラッキーガン』や、大爆笑間違いなしの『ジキルハイド』などなど、どれもこれも粒ぞろいの傑作揃い。
ミチビキエンゼル(小五 73年11月号)
イイナリキャップ(小五 73年12月号)
宝さがしにいこう(小五 74年01月号)
シャーロック・ホームズセット(小五 74年02月号)
ママをとりかえっこ(小五 74年03月号)
変身ビスケット(小六 74年04月号)
○○が××と△△する(小六 74年05月号)
タヌ機(小六 74年06月号)
人間製造機(小六 74年07月号)
ここら変の密度の濃さは尋常じゃない。
あと、封印されていたガチャ子がいよいよ登場するのも見逃せないポイント。まあ、超問題作『クルーパーデンパ』はまだ先ですが。