男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

不詳の人 [DVD]

不詳の人 [DVD]

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これがfメソッドだ!!

ハリウッド帰りのソリッドアクター舟木テツ夫が開いたテツヲ塾。彼の徹底した演技論と指南術をドキュメントした作品。

「すべて人間関係なんですよ!」
ジョニー・デップに『シザーハンズ』のハサミのコンセプトを与えたのは(オフレコですが)わたしです」
ジェームズ・ディーンは『理由なき反抗』で”I LOVE YOU”を2500テイクとらされたんです!」

等々の超名言を連発する舟木テツ夫の提唱する演技術、それが『fメソッド』。常に、何もかもが『人間関係』に集約されると説くソレは、『白虎』『青龍』などを交えた『forth』に支えられている。故に『I LOVE YOU』一つだけで演技の総てが明らかになる。


と言うPRビデオを製作している弱小プロダクションの監督木下が、メンバーの一人ジョニー(塾生は全員本名は禁止。他にはキッドマン、オールドマン、オードリー、ブルースなどなど、全員日本人ですが)の告白を元に独自にインタビューを開始。すると舟木テツ夫の見えざる姿が……


と言う、山下敦弘監督のギャグフェイクドキュメンタリーです。『その男狂棒に突き■ [DVD]』でも大爆笑させてくれた山下監督は、劇映画を撮ると反動でこういうモノが作りたくなるようで、再び山本剛史*1と組んで大爆笑の作品を作っていました。

スルーしていたのですが、家の奥さんがこのDVDに同時収録されている『道』(子宮で映画を撮る女)が凄く面白いらしいと借りてきたのです。

とにかく山本剛史の十八番とも言えるうさんくささ爆発の自称ハリウッド帰りの舟木テツ夫が面白いんですよ。

そして、山下監督の得意技とも言える「顔キャスティング」が冴え渡っており、塾生たちがみんな「いかにもだまされそう」な面ばっかり!

後半部分で物語が急転直下を迎え、さらに最後にドキっとするオチがついたりするので、やっぱり山下監督の作品は面白いなあと驚かされました。


・・・


で、同時収録された『道』(子宮で映画を撮る女)。これは河瀬直美監督をモデルにしているそうで、自主製作でうっかり海外の映画賞を受賞した野嵜好美が、初めてスタッフを雇って大規模な映画を作ることになる様をフェイクドキュメンタリーで描いています。
この野嵜好美がとんでもない「イタイ」女で、その場の思いつきでコロッコロ撮影の変更をしはじめてスタッフが振り回されるんですよ。そして、主演男優が何と舟木テツ夫!!(勿論演じているのは山本剛史) また野嵜好美がこの舟木テツ夫にホの字になってと言う泥沼ブリが死ぬほど笑えます。
クライマックスの吊し上げを食らうシーンは、真に迫ったキャストの(これまた顔キャスティングが冴え渡る!)名演技も相まって死ぬほど笑えます。

野嵜好美を演じた野嵜好美と言う人はホントに絶妙で、どこをとっても絶妙に「いるいる」というイタサが炸裂しています。

同じく野嵜好美さんを引き連れて、なぜか心霊スポットを巡るという『めちゃ怖 [DVD] (「呪われた心霊フィルム」驚愕のドキュメント)』シリーズも借りちゃいましたよ。こちらでは全然イタイ人じゃないので、あれは芝居だと分かるんですよね。凄いなあ。

*1:リンダリンダリンダ』しか観ていない人には、ペ・ドゥナにやたらと絡んでワンドリンク制を力説するカラオケショップの店員と言えば分かるでしょう。