男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

エンドレスエイト

涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)
これは革新的だ!

無事に新作である『エンドレスエイト』が放送され、新しいOPも放送されました。

が、

要点はそんなことではなく、新作の『エンドレスエイト』が、実にアニメのハルヒらしい革新的な引っかけに満ちていたからです。


<以下原作未読の方はネタバレ>


原作の短編『エンドレスエイト』は夏休み終盤の二週間をSOS団が面白おかしく楽しく過ごす日々を綴っている話ですが、途中でキョンをはじめとしたハルヒ以外が「奇妙な既視感」を覚え始める。そして、遂に長門の驚愕の発言により

「今回が、一万五千四百九十八回目に該当する」

ループした夏休みであることが発覚。

どうやってこの無限ループから逃げ出すのか!?

と言う相変わらずトリッキーでありながら、アニメファンにはお馴染みの『ビューティフルドリーマー』を彷彿とさせるプロットなのですね。


で、


今回アニメ化に際して、一話なのかそれとも二話に分けるのか、とあれこれ考えていたのですが、まさか最初の一話目を


”本当にただただ無自覚に夏休みを満喫するSOS団”


に割り当てるとは想像していませんでした。

原作には当然存在する「奇妙な既視感」などの伏線が一切登場しないあたりから、

「まさか……」

とは思ったのですが、果たして『ハルヒ』のアニメなら、そういう展開もありなだけにビックリしました。ボクが普通に原作も読まずにあのまま再放送を見続けていたら、

「おお、こんな普通の楽しいだけの話もあるんだ」

と思い込み、そして、次の週には


「な、なんだって!!」

と異様な驚きと興奮と喜びに包まれたことでしょう。嬉しいやら哀しいやらですが、人間は運命と言う前髪を一本しかつかむことが出来ない。こればっかりは仕方がない。逆にこの段階で別の衝撃を味わうことが出来たのだからプラマイゼロ。


演出的にもオーソドックスで、ある意味大人しい演出も明らかに意図的だと分かります。

そして、”本当にただただ無自覚に夏休みを満喫するSOS団”を観てみたいと言う欲望も思う存分一話もかけて満喫できたのですから言うこと無し。

夏休み最後の二週間というのは、社会人になって初めて分かる(いや、個人的には相当意識して当時から堪能していましたが)、人生でこれ以上はないほど楽しい時間なんですよね。そういう美味しい題材を短編で、なおかつトリッキーなストーリーに仕上げた谷川流の自制心は相当のモノだと思われますが、その不足分を補ってくれるような楽しいアニメ化だったと感心しました。

普通にこの一話だけ観ても充分楽しい話になっているのが実に良いです。
アニメオリジナルのネタもここぞとばかりに盛り込んできましたしね。板野サーカス誕生の伝説エピソードをキョンが再現するのも大笑い。

と、

コレを踏まえた上でやはり期待されるのは次回。当然のように『エンドレスエイト(前編)』などと銘打たなかった事からも、『後編』がどんな作りになるのか今から期待で胸がふくらみます。


まったく、明日は『トランスフォーマー・リベンジ』だし、来週は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』があるというのに、どうしてこうもワクワクすることは寂しがり屋のように集まるのでしょうか!