"Go Ahead. Make My Day"
クリント・イーストウッドが大好きだったボクが、初めて映画館で観たクリント映画が『ダーティハリー4』でした。役者としてのイーストウッドも大好きでしたが、彼が監督した作品がどれも「なんだか変だ」と子どもの頃から印象深かったもんです。(当時のイーストウッド監督作品は、今のように誰もが認める扱いを受けてはいなかったように思います)
そんなイーストウッドが自分で監督もすると聞いて、物凄く興奮して公開を待っていたのを覚えています。ちょうど、小学六年生の終わろうとする春でしたかね。
シルエットでハリーが現れるハッタリ全開のクライマックスは激燃えで、ラロ・シフリンの音楽も無茶苦茶かっこよかったもんです。敵なんか何人もいて人質まで取っているのに、あまりにもハリーが圧倒的なので全然反撃できないままジリジリ近づかれて(ハリーもハリーですげえゆっくり歩いてくるんですよ。なぜそんなに余裕があるのか!)、結局オートマグでブチ殺されるんです。
「映画は理屈じゃない」
と痛感したシーンでした。敵が反撃できないぐらい圧倒的なかっこよさで登場すれば、絶対に勝てるわけです。
なんせ、シルエットを観たチンピラがいうに事欠いて
「Holy Shit……」
ですからね。まあ、そりゃ言うわな。
↑6分25秒ぐらいからいよいよ登場です。イーストウッドは「黒」が大好きな監督ですから、画面真っ黒でYouTubeだとつぶれて見えにくいですね。しかし、燃える。
イーストウッドの有無を言わせない目力が大好きですよ。凄い説得力があって。
で、
ダーティハリー4で誰もが連想するのは、名台詞中の名台詞
"Go Ahead. Make My Day"”
何ですが、この台詞が登場する最初の銃撃戦も死ぬほど燃えるんです。
ハリーは常に台詞がカッコイイんですが、このシークエンスでも口からはき出す台詞はほぼ全部「カッコイイ」!
↑ここでも、チンピラどもがイーストウッドが立ってるだけなのに、度肝抜かれて立ちすくんでいるのが最高です。精一杯虚勢を張るモジャモジャが良い味だし過ぎ。
そりゃ、全く動じてない顔面でイーストウッドが立ってるだけでもビビるのに、まったく場違いな台詞で「10年間毎朝ここでブラック・コーヒーのLを頼んでいるのに、今日は山ほど砂糖を盛られたんで文句付けに来たんだが」とか言われたら、たまらない。
とどめが、
「俺たちからは逃げられんぞ」
「おめえ以外にだれがいるんだよ? ぼけ(声震えて)」
「……スミス&ウェッソン……&ミー」
ドガン!
ハリーの愛銃のメーカーがスミス&ウェッソンなので、それをかけたジョークなんですが、これが子どもの頃はたまらなかったですね。Go Ahead. Make My Dayより下手したら燃えましたよ。いや、Go Ahead. Make My Dayもすごい燃えるんですけどね。チンピラにズーム、ハリーにズームっていうカメラも燃えます。