男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

パトリオット

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メル・ギブはぶち切れてなんぼ

エメリッヒの映画を避けるようになったのは、やっぱり『ゴジラ』を失敗させてからでしょうか。それでも、「HDで放送したんだから観てみよう」と思えるんですから、HDでの放送はボクには重要です。

撮影のキャレブ・デシャネルという人が良い仕事をしていて、安くなりがちなエメリッヒをドシっと支えています。その後メル・ギブの『パッション』にも参加していますね。気に入られたのかも。

逆光の感じとか、ロング・ショット、望遠レンズなどを巧みに使って当時のアメリカっぽく感じさせてくれます。ただ、ときおり無様な疑似スローが入るのはエメリッヒのセンスなんでしょうかね。

ストーリーは独立戦争を俯瞰したと言う感じではなく、メル・ギブ演じるベンジャミン・マーティンというかつての英雄が、戦争反対を訴えていたのに息子を殺されてブチ切れ、民間軍を結成して暴れ回るうちに大きな決戦の場に参戦するという感じでした。

ときおり意外に残酷な展開があったりしますが、全体的に予定調和が支配しているので、160分ちょっとの長丁場は少しダレてしまいました。

ただ、最初のメル・ギブが息子を殺されてブチ切れるくだりは、とにかく最高。やっぱり『マッドマックス』からの伝統で、ブチ切れさせたら天下一品のメル・ギブだけに、ひたすらその10分前後は燃えまくりです。

燃えさかる我が家からマスケットを何挺も装備し、愛用のトマホークを持って現れる様はやばい。しかも、モラルとか吹っ飛んじゃってるもんだから、年端もいかない子ども二人にマスケットをそれぞれ持たせて待ち伏せ作戦。20人近い小隊を弾込めしながら次々狙撃していく。そして、隊列が崩れたところへトマホークとナイフの二刀流で殴り込み! 逃げる兵士を背後からトマホークを投げつけて、倒れた兵士にマウントポジションで何度も何度も斬りつける様は圧巻。その後に入るヒース・レジャーを含む息子三人横並びのどん引きショットは必見。

あそこがあんまり燃えるんで、その後は何をやっても

「はやくメル・ギブ切れろよ」

と不埒な感情に支配されるという困った映画でした。