男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ハプニング (特別編) [DVD]

実にシャマランぽい

ヒッチコックの傑作『鳥』を意識しているというシャマランの発言から想像したとおり、意味不明の不条理な恐怖が襲ってくる感覚は大変好みでした。

ただ、『鳥』と言うよりも、スティーブン・キングの『セル(上) (新潮文庫)』を思い出しました。まあ、上巻半分をかけて描かれる”状況勃発から1時間”のド迫力と描写力はキングの方が圧倒的でしたけど。

”突然ひとが自殺し始める”と言うそれだけのプロットなので、上映時間も91分と非常にまとまっています。ですが、ドラマはかなり濃密で、「まだ30分経ってないの?」と驚くような展開が前半に集約されています。

中盤からの展開も薄ら怖い雰囲気が全編に漂っていて、なかなかシャマランの力を感じさせてくれます。

『サイン』大好き人間としては、こっちの方向にシャマランが戻ってくれるたのは喜ばしいのですが、独特のユーモア感覚(一歩間違えばギャグ)が無くなってしまったのは少し寂しいです。

風が重要なモチーフになっているので、サウンド・デザインが大変素晴らしかったです。なので、ブルーレイで観なかったことを凄く後悔しています。