男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

沈黙の戦艦 [Blu-ray]

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ゆったりとした余裕満点の映画。

ダイ・ハード』『ダイ・ハード2』とヒットが続き、様々な舞台限定アクションが企画され製作されていた90年代初期。スティーブン・セガールがデビュー作『ニコ』の監督であるアンドリュー・デイヴィスと再び組んで、戦艦を舞台に取り組んだのがこの作品です。
当初は当然のようにセガールだし、デイヴィスだし、『ダイ・ハード3』を先取っての安直な舞台戦艦だし、という感じでまるで期待していなかったのですが、公開されるとやたらと評判が良い。
しかし、邦題がなんとかわぐちかいじの傑作『沈黙の艦隊』を露骨にパクった『沈黙の戦艦』と来たもんですからなかなか複雑な心境でした。
セガール版『ダイ・ハード』という表向きの体裁はありますが、実際にはプレイメイトが相棒になるバディものであったり、助けた仲間とのチーム・プレイがあったりで、アドベンチャー映画としてかなり楽しめる作品になっています。これはもちろんセガール映画につき物の「負けるわけが無い」安心感を活かした英断だと思います。観客としてはまるで動じないセガールについていくプレイメイトに感情移入するわけですね。『E.T.』でエリオット少年とロマンチックなキスを披露したエレカ・エレニアックがそのまま大きくなって(オッパイも)好演しています。
しかし、やっぱりここでもトミー・リー・ジョーンズが美味しいところをほとんどもっていく怪演を披露しており、本筋をほっぽってゲイリー・ビジーと馬鹿騒ぎのやり取りが楽しめます。中でも最高なのは艦砲射撃の衝撃を食らって文字通り吹っ飛ぶクライマックス。完全にキレてしまったトミー・リー・ジョーンズがみせる支離滅裂な芝居は見ものです。「俺は昔カートゥーンが好きだった」とか延々まくしたてる姿に部下たちがドン引きしているのはとにかく笑えます。
そのくせセガールとの鬼気迫るナイフ・バトルも披露して年齢を感じさせません。

デイヴィス監督もこの映画のヒットで『逃亡者』へ繋がるわけですから、2人にとってはやはりこの映画が出世作ということになるんじゃないでしょうか。

あんまり期待していなかったHDクオリティですが、VC-1でもかなりキレイで嬉しかったです。時折落ちるときもありますが、人物の顔面などはかなり健闘していると思います。サウンドはドルビーデジタルで今までどおりです。外国のLDなどでは残酷描写がつままれたバージョンだったのですが、BDはちゃんとオリジナル・バージョンになっています。