男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

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なんだかチグハグな感じが…

妻が試写会で観て「ううん……」という反応だったと言うわけでもないのですが、劇場ではスルーしてしまったものを借りました。
言うまでも無くジャック・フィニーの『盗まれた街 (ハヤカワ文庫SF フ 2-2)』四度目の映画化(公式には)になるわけですが、実際には最初の映画化であるドン・シーゲル監督の傑作『ボディ・スナッチャー/恐怖の街 [DVD]』を強く意識しているようです。なので今回はフィリップ・カウフマンの『SF/ボディ・スナッチャー [DVD]』、アベルフェラーラの『ボディ・スナッチャーズ [DVD]』で前面に押し出される恐怖演出(出色の大絶叫!!)は無し。
今回監督に起用されたオリヴァー・ヒルシュビーゲルの狙いは”人間らしさとは何か?”と言う皮肉をこめているようで、ちょっとそこらあたりは鼻につくのがいただけませんでした。
ジョエル・シルバーが茶々を入れて追加したと言うアクション・シークエンスも完全に作品から乖離しているし、フラッシュバックのような編集を多用したシーンつなぎも少々ウザイ。

”眠ってはいけない”と言う生理的なサスペンスは今までの映画化作品では常に前面に押し出されていましたが、今回”感情を表に出すとばれる”と言うサスペンスに比重が置かれていたのは興味深かったです。今までの作品では脱出シークエンスで用いられる1サスペンスに過ぎなかったのですが、この作品では中盤で他にも潜伏しているノーマルな人々の状況も垣間見えて面白かったです。どうせならそっちで全編サスペンスを構築するのも手だったのではないかと思います。ゾンビものでは『ショーン・オブ・ザ・デッド』みたいなギャグにしかならないアイデアですが、こちらは充分ソレが機能するタイプの構造ですからね。

感染者にワクチンが効いて正常に戻るというラストも、先述した監督の狙いとしてはアリなんでしょうけど、個人的には面白くなかったですねえ。