男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

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トミー・リー・ジョーンズが素晴らしい

と言うのが劇場で観たときの第一印象でしたが、何度か観直しているとハリソン・フォードの抑えた(省エネと揶揄されるけど)芝居も作品に貢献している。今回監督のアンドリュー・デイビストミー・リー・ジョーンズの音声解説を字幕で出して吹替えで観る個人的にはお馴染みの鑑賞だったのですが、そこでも「相手がいなくて、台詞も少ないのにハリソンはよくやっている」と評されていました。医者として怪我人や病人をほうっておけないキンブルの設定にも説得力があるし、結構出来る医者っぽい。トミー・リー・ジョーンズがある意味派手な芝居をずっとしているので、そちらと食い合っていないのも印象が良いです。

それにしても後の主役として『追跡者 特別版 [DVD]』まで製作される(こちらも『エグゼグティブ・デシジョン』のスチュアート・ベアード監督による傑作)ジェラード連邦保安官と仲間たちが最高ですね。トミー・リー・ジョーンズが周りの警官たちの愚痴を軽々しゃれた言い回しで切り返すユーモアや、プロっぽい挙動や言動がとにかく素晴らしいです。非常口の数を確認してすぐさま手で部下たちにそれぞれ合図を送る仕草とか!
下水道内でキンブルに「私は妻を殺していない」と訴えられても、「私のしったことではない」と言ってのける(銃を突きつけられているのに!)あたりは抜群で、調査ではなく捜査が任務であることの誇りがにじみ出ていて痺れます。そんなジェラードがキンブルの事件に関して徐々に疑いを抱いていく後半の展開もいいですね。だからラストのキンブルとの粋な会話がイカします。
アンドリュー・デイビス監督とは連続三本目の登板だっただけに、全編に余裕満点なのが功を奏しているのかもしれませんね。『沈黙の戦艦』も最高だったし。


BD初期の作品で、一層VC-1、ドルビーデジタルのみといういかにもワーナーらしい仕様ですが、画質はそれほど悪いわけではありませんでした。もっとも、最近の高画質作品に比べればフィルター一枚かかっているような印象ではありますが、1080pらしい質感はよく出ています。マイケル・チャップマンによる寒々しい映像もよく再現されています。