激突!
何と『ジョーズ』に先立って、スピルバーグの出世作であり、ある意味『ジョーズ』よりもスピルバーグの演出テクニックが冴えに冴えている傑作である『激突!』がHD放送されるんですよ。
と言うよりも、今まさにしているんです!
最初の30分を観ただけでも、
「こんなにキレイな『激突!』観たことが無い!!!」
状態。
元々テレフィーチャーとして製作された作品なので、アスペクトは4:3のスタンダード。DVDでもそうでしたが、今回のHD放送でも下品なビスタへのマスク処理などはされていなくて大変素晴らしい。
とにかく、画面のディティールが半端じゃないです。これだからフィルム製作は素晴らしい。
クオリティが高すぎて、見えてはいけない運転手の姿まで見えそうな勢い。
トラックの執拗な汚しが鮮明に見えることで、迫りくる恐怖も倍増です。
スピルバーグの抜群すぎるレンズ選択もディティール・アップによって効果が段違い。望遠レンズでの荒れ方や陽炎の作り出す不気味な効果、広角レンズでの誇張された映像の鮮明さ、HD特有の奥行き感の再現によって、主人公の背景に鎮座するピントのあっていないトラックのプレッシャーなどなど、どれをとっても「画質のよさ=演出の再現性の高さ」と言う理屈が確固たるものになります。
これも『ジョーズ』同様、映画館でフィルムで観たいです。ユニバーサルも二本立てでリバイバルすればいいのになあ。
電話ボックスに映りこむスピルバーグがものすごい鮮明だ!(実況)
いよいよチェイスが始まりました!
後世に明らかに影響を与えまくっている道路ギリギリのアングルや、車載カメラの広角レンズ、望遠レンズの遠近感の誇張、どれもこれも道路の細かいディティールや流れる背景のきめ細か、ディーゼルエンジンの出す排気や煙の細かさがスピルバーグの演出を的確に観客に伝えてきますねえ。薄ら寒いぐらいキレイな空も効果抜群。
さあ、いよいよ上り坂! ラジエターホースが!!