男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ホテル・ルワンダ

ホテル・ルワンダ プレミアム・エディション [DVD]

WOWOWにて。

何度も観ようと思ったのですが、思っていたよりも緊張感というか臨場感がない所為で途中でやめていました。今回やっと最後まで観ました。

キャストは微妙に豪華なんですが、全体的にテレビ・ムービーっぽさが漂うあたりが監督の演出力の限界なんでしょうか。実話であるジェノサイド自体は底冷えがするほど緊迫感がありあまっているのですが、それにおんぶに抱っこで観ているほうにはあまり緊張感が生まれません。主人公のポールが帰宅するときに不気味な扇動のラジオ放送が流れるあたりが不気味でいいんですが、肝心の虐殺シーンがなく、死体が庭に倒れているだけなのが問題なのだと思います。

ホワキン・フェニックス演じる報道カメラマンが意を決してホテルの外へ虐殺を撮影してきてそれを部屋のビデオで見る場面でも、映像に恐怖感がまったく無いのも問題。ここでは”実際はそういうもの”という言い訳は無し。映画は映画になった時点ですべてフィクション。

この題材で緊迫感や恐怖が観客に与えられないのは問題。

しかし、中盤でホテルが無防備になってからは(ドン・チードルが死体の山を夜明けに目撃してから)幾分訴求力が増して最後まで一気に観られました。

ただ、一度奥さんたちの脱出が失敗するあたりは緊張感があるのに(一人残るチードルの男気も感動)、いよいよ全員脱出となるくだりは場面転換で簡単に事が進むあたりもカタルシスがまるでなかったのはいかがな物かと思いました。

緊張しないからホッとしないんだと思います。