男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

インサイド・マン [DVD]

スパイク・リーの映画を観るのって、『マルコムX [DVD]』以来になると思います。大抵脚本やなにやら自分でやってるイメージですが、この作品は監督のみに徹しているようですね。メッセージ性とかは薄くなっていて個人的には大変リラックスして観る事ができました。まあ、黒人の含有率は他の映画に比べて多いですけどね。人種偏見についての意見はギリギリ乖離しない程度に盛り込まれてます。
一見すると銀行強盗団と包囲する警官隊及び交渉人たちとの丁々発止風な映画というイメージですが、実際はいつの時代かと思わせるような音楽設計や、時代錯誤なデンゼルの衣装などからも漂うように、洒落っ気のたっぷり含まれた楽しい映画という感じです。まあ、撮影にあまり作品世界に馴染んでいない銀残し風の映像が挿入されたりして、ちょっとぎこちない感じもありますけど。
強盗団の主犯を演じているクライブ・オーウェンってどっかで観た(聞いた声)だと思ったら、『シン・シティ』の一番作品に馴染んでいない2話目の主人公でした。あいつもやたらと声だけ印象深かったもんなあ。
スパイク・リーとは腐れ縁と言ってもいいデンゼル・ワシントンが、お馴染みの庭での作品という感じの飄々とした芝居をみせてくれてやっぱり巧いです。

まあ、一番嬉しかったのは、相変わらず決めに挿入される”役者とカメラを一緒に載せたドリーショット”=スパイク・リーの専売特許のようなへんてこりんなショット。キメ所でデンゼルがガタガタと固定されて動くショットは、その真顔ぶりの分かってる感も含めて非常に良いです。さすがドまじめな『マルコムX』でも台車に載せられて真顔を保っていたデンゼルだけはあります。