男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ザ・ワイルド

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地デジ

『グリズリー』『プロフェシー恐怖の予言』などの動物パニック物に属するように見せかけて、実は冒険小説ライクなサバイバル映画です。凄く好きな映画なんですが、すんごい地味な評価……いや、知名度が殆ど無い映画ですよね。でも頻繁にテレビで放送して子供たちの思い出に残る映画になって欲しいですね。

まるで19世紀末とかに書かれたような冒険小説の王道みたいなプロットなのですが、やっぱり熊との戦いあたりがクライマックスとして配置されていないあたりのデビッド・マメットの生真面目さが仇になっているのかもしれませんね。

巨大な人食い熊のエピソードは登場人物を同じフレームに収めるショットなども効果的に挿入して臨場感が半端じゃないですし、望遠レンズを使って巨大感(実際大きいんだろうけど)を誇張しつつ人物との距離感を消失させて緊張感を生み出しています。実際に調教された熊も見事な芝居をみせてくれますが、ちょっと目がつぶら過ぎて人を食うようには見えないなあ。まあ、逆に獲物を食べるなんて日常の行為なんだから無垢もクソも無いっていう無常観も出ているのかもしれないですけどね。
アニマトロニクスもキチンと無垢な瞳なので全然違和感が無いのも凄い。

HDとしては大自然のロケーションが凄く美しいし、雪景色が細かく描画されているので寒さがより強く伝わってきます。