男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

セブン [DVD]

セブン [DVD]

久しぶりに観たくなったので。

このDVDには音声解説が4つも収録されており、まだ聞いていなかったサウンド・デザイナーと音楽のハワード・ショアの解説を聴きました(字幕・dts-es)。

音に関する解説だけに、自然とサウンド・デザインに耳がいっていましたが、フィンチャーの目指した”画面に映らないモノを音で描写する”演出は解説付で聴くとなかなか凄いものがあります。ビジュアルに関してはこだわりを放っておいても感じさせるフィンチャーですが、音の方でもかなりのこだわりをもっているようです。特に気に入ったのが、ジョン・ドゥをマジック・ミラー越しに観ながらの会話をアフレコしなおして、「囁き声」で録りなおしたというあたり。聴こえるはずは無いのだが、無意識に声はひそめるほうがリアリティがある。サマセットが夜眠れないシーンで、外のゴミ収集車がホームレスともめている音声も、ちゃんと役者を揃えて録音しているそうです。
ハワード・ショアの解説も抽象的な表現が多いのですが、通常では音楽と認識されない音を色々と組み合わせて作り出していると言う話が興味深かったです。武満徹の名前も出てきたりして。クローネンバーグの作品や、ロード・オブ・ザ・リングなどでは全面に派手に出てくる音楽のイメージですが、サスペンス系の映画(『羊たちの沈黙』)では効果音に近いようなアプローチになっているようです。まあ、『セブン』の音楽を口ずさめといわれても全く無理ですが。

それにしてもこれだけ圧倒的なオリジナリティに溢れたビジュアルは滅多にお目にかかれないという感じの映画なので、ついつい解説そっちのけで映画に没頭してしまいます。*1

こういう映画は本当に滅多に現れないですが、極稀に現れるので映画を観るのは止められないですよね。

*1:どれだけのその後の映画やゲームなどが影響を受けているか計り知れない。