男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

THE JUON -呪怨- ディレクターズ・カットコレクターズ・エディション [DVD]

THE JUON -呪怨- ディレクターズ・カットコレクターズ・エディション [DVD]

ポケモンに続いて、全米第一位と興行収入1億突破を成し遂げた(実写では初かな)作品です。

何度も言っているようにボクは清水崇はこの作品のオリジナルであるビデオ版の『呪怨 [DVD]』のみを評価していて、後の続編やオリジナル作品は全て受け付けません。

ただ、今回は自分の会社の第一回作品にこのリメイクを選出したサム・ライミの「オリジナルのビデオ版が大好きなんだよ」という非常に分かっている発言からもうかがえるように、不滅のオリジナル・ビデオ版を基本としているのが非常に良かったです。ところどころ劇場版でのアイデアなどが流用されていたりしますが、案の定スベリまくっていてガッカリですが……

軽くではあるのですが時間軸の組み換えなどもオリジナル版を踏襲していますし、ビル・プルマンが柳ユーレイの役をやるってだけでも何だか良い気分です。舞台をキチンとあの所沢の家にしている点もちゃんとしていて、お馴染みのショック描写も律儀に殆ど詰め込んでいますね。清水崇としてもこの映画の呪縛から逃れる意味で、最後の決定版を作る気構えだったように感じます。

個人的になんと言ってもうれしかったのは、顎なし少女が復活したことですね。あの暗闇をひたひたおぼつかない足取りで歩くシーンだけでもほかのシークエンスとは比べ物にならないヤバい感じが充満していて良かったです。ハリウッドならではのCGIも向上で、『死霊のえじき』の冒頭に登場する顎なしゾンビを彷彿とする舌の動きまで観られて最高。

それにしてもハリウッドでリメイクされた日本映画として、これだけオリジナルのテイストを残した作品も珍しいんじゃないかと思います。それだけでもサム・ライミは良い仕事をしたなあと感じます。

あと、クリストファー・ヤングの音楽もメロディを殆ど排除して、恐怖感を煽る不気味な仕上げにしてあったのも良かったと思います。

撮影の山本英夫がハリウッドに絶対に媚びないぞといわんばかりの闇だらけの映像を作っていたのも嬉しかったです。