チャーリーとチョコレート工場 [DVD]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2006/02/03
- メディア: DVD
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無茶苦茶いいなあコレ。
最近精彩を欠いていたティム・バートンですが、思う存分やりたいことやっているというか、いい素材にめぐり合ったというか。かつてのハチャメチャなのりと職人芸が絶妙に溶け合っていて、かなり素晴らしいんじゃないでしょうか。
ウィリー・ウォンカに扮したジョニー・デップが絶好調で、『エド・ウッド [DVD]』で堪能できた躁病芝居が炸裂しています。唐突に挿入されるジャングル探検のシークエンスでも、遺憾なくご機嫌に芝居しています。あの「絶対におまえが行くわけねえだろう感」とか、信じられないぐらい不味そうな芋虫のグチャグチャ汁を食べるときの芝居など。
チャーリー役の子役もかなり上手で、生きたモデル・アニメーションのようなお爺さんとの掛け合いが素晴らしいです。
それにしても前半のチケットを得るまでが、個人的に衝撃的にツボでした。なかなか手に入らないくだりも凄いんですが、チャーリー一家の貧乏ブリがたまりません。ドラえもんのアバラヤ君家より酷い。あの斜めになった家のセットからして爆笑で、そのまま斜めにドアが開いたり、両親の両親がそのまま4人寝たきりで、そのベッドがそのまま食卓なのも大爆笑。屋根裏のチャーリーの部屋なんて真冬なのに穴は開いているはビニール張ってあるはで隙間ない極貧描写。貧しい生活だけど楽しく生きているという描写が無責任に大好きなので、本当にツボでした。
本筋のチョコレート工場の見学が始まってからも、バートン・カラー爆発の美術をはじめとして、ほぼ全て何の意味があるのか分からない毒素満点のライドがメチャ最高。ロアルド・ダールの原作にはない父親とのトラウマをウォンカが思い出すあたりも(いちいちチャーリーがそれを刺激するのが又笑える)、グルグル・ワイプや、波打つワイプなどのベタベタ描写が完璧。しかもウォンカの子供時代がまた壮絶で、父親がクリストファー・リーなのは百歩譲るとして、あの悪夢のような矯正器がとにかく凄かったです。あんなのホントにあるのかなあ。
ウンパ・ルンパの描写や、反則級に可愛いリスの群れ、そして相変わらず乗り乗りのダニー・エルフマンの音楽など(歓迎のマーチが大笑い)、全編やたらと楽しめた作品でした。
しっかし、ロアルド・ダールって面白いなあ。自伝とか読んでみようかしらん。
ちなみにボクの初ダールは『007は二度死ぬ』の脚本です。『チキチキ・バンバン』の脚本も書いているから、軍隊がらみでイアン・フレミングと何か関係があるのか? それともただ単にブロッコリーのプロダクションと変な契約でもあったのか?