男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション [DVD]

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ヒトラーの自殺を中心にしてその前後のドイツ降伏までの状況を描いているのですが、細かいことをあまり知らなかったので色々細かく描かれて楽しめました。

”楽しめました”と書いたものの、実際には全く楽しい気分になれないです。ははは。

ベルリンがソ連軍に包囲されている状況が、徹底的に音を中心に描写されているのが最高でした。観ている側もいつの間にか息が詰まるような圧迫感を覚えてきます。そこにきてすぐにブチ切れるヒトラーを演じるブルーノ・ガンツや、完全にイってしまっているゲッペルスがそれに拍車をかけるからたまらない。

なによりドイツ本国で制作されているので、根本的なドイツ臭が極めて濃厚。ドイツ語で台詞を言っているからという生易しいものではないリアリティを映画に注入しています。観ているとこれが現代に製作されたとは思えない錯覚にとらわれます。*1


勿論ゲッペルス夫人が子供たちを毒殺するシークエンスは、無条件で胸をかきむしられる様な嫌悪感を味わえますので、この映画の狙いは達成されているんじゃないでしょうか。*2

*1:崩壊したベルリン市街の美術の貢献も見逃せません。

*2:特に長女の娘が”察して”拒絶するのに、口をこじ開けて飲み込ませるのが極悪。その前のヒトラーの愛犬に毒を飲ませる伏線が最悪の効果をあげています。