男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

タイタニック アルティメット・エディション [DVD]

特典ディスク

メニュー画面だと恐ろしく何もないように見えるのですが、やっぱりてんこ盛りに入っている。といっても、実はそれほど観るべきものはないのがビックリです。ドキュメンタリーっぽいものがメインなのかと思うのですが、40分程度でそれほど大した物ではないです。パロディ短編などもジェームズ・キャメロンが恐ろしくそういうのが似合わないタイプの人間なので(そこがピーター・ジャクソンとは違う)、ベン・ステラーなどが頑張っていても薄ら寒い*1
VFX関係に関しては、一等客用のラウンジ関係が実はミニチュアを撮影して背景として合成しているというのには正直仰天しました。そういわれて本編を観ると確かに合成しているのが分かったのですが、言われないと分からないなあ。セットを組む予算を抑えるためとかいいつつ、合成費用に結構かかったってのには笑いましたが。
今では当たり前になった感のあるCGスタントなども面白かったのですが、キャメロンらしく”実はアナクロな技術”が多いのが凄く良かったです。CGだとばかり思っていた廊下を一気にトラックバックしながらドアが水ではじけ飛ぶショット等など、結構ほとんどミニチュアだったりするんですよね。

肝心のメイキングに関してですが、なんと本編の該当シーンになるとメイキングが再生されるという、なんとも古臭い仕様。こんなの余計な容量を喰うだけなのに。何のために特典ディスクがあるんだか。

また、燃えまくりの予告編も未収録!! これが入っているだけでも旧盤(asin:B0007WZT66)はまだ価値がある。

本編

dts-esでの鑑賞。

久しぶりだったので、キチンと本編だけを鑑賞しました。音声解説は次に。

本編はスクィーズ効果のみならず、二枚に分けたことでかなり画質が向上しています。単純にタイタニックの豪華客船度が上がっています。また、照明効果によって目の輝きなどの細かいけど重要な部分も見事に再現されていて素晴らしいです。

それよりもなによりもdts-esの効果が絶大で、今までのものとは全く違います。前半の平和な部分では落ち着いた風の音が甲板を横切っていますし、沈没し始めてからは不気味な静寂や、水没に関する水の低音による包囲が凄まじいです。他にもハッキリと効果の上がった音がてんこ盛りです。ドルビー・デジタルEXでも同等の効果はあると思いますが、低音の迫力は多分dtsのほうが凄そうです。

久しぶりに観ると、キャメロンが一生懸命スタンダードに作ろうとしている事が分かりますし、それがあの映画のヒットに繋がっているんだろうなと感じました。
勿論災害映画好きとしては沈没のシークエンスでもっと危機また危機を期待してしまうのですが、あれだけの極限状態でかなり多くのパニック描写と恋愛描写を交えるってのは、そうそう出来るものじゃないと思います。それに、クライマックスの直立する船体というある意味究極の状況が見られるだけでも他の映画ではありえないし(しかも、史実どおりってあたりが凄まじい)、その後の阿鼻叫喚をキチンと描いているのも凄いですよね。

また、キャメロン自身が言っているように、タイタニックに一緒に乗船しているように感じさせるためにあの上映時間を設定しているというのが見事に的を射ています。何度観てもジャックが水に沈んでいくカットでは胸が熱くなります。笛を吹くローズから、ブツっと現代のローズのアップに切り替わる編集もキャメロンらしくて最高です。

もう一つのラストは紙面などでは良く知っていたのですが、あれは変更して正解だったと思います。ただでさえ現代のシークエンスは余計な感じがするので。

*1:ベン・ステラーが提案していた続編のアイデアは、まんま『豪華客船ゴライアス号の奇跡』ですね。あれ大好きなんですよボク。