男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ネバダ・スミス [DVD]

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こっちのスミスは子供の頃に何度も観たほうです。ボクはクリント・イーストウッドスティーブ・マックィーンが大好きで、二人の出ている映画は片っ端から録画して観ていました。

今回初めてシネスコのノーカットで観たのですが、恐らく40分以上カットされているにしては違和感なく観られたので、テレビでの放送版は結構上手に編集されていたのかもしれません。

もっとも、吹替えに関してはデフォルトで宮部マックィーン声が耳にこびりついているので、オリジナルの音声は新鮮でした。

ラスボスのカール・マルデン(鼻)のラストの絶叫台詞は字幕より吹替えのほうが印象深かったなあ。
「なんでだよぉぉぉぉぉぉ!!??」

画質が凄く良いこともあって、アメリカ西部の美しく雄大な景色がシネスコいっぱいに捉えられているのが印象的でした。

この映画はボクの中での既成概念を崩してくれた映画の一つなのですが、今見直すとかなりキリスト教的な教義に根ざしているのかもしれないですね。神父に諭されて聖書読んで自分を復讐の鎖から解放するネバダ・スミスには子供の頃おおいにショックを受けたモンです。
「殺す値打ちもなくなった」
といって拳銃を投げ捨てたネバダ・スミスがキレイな川を越えて走り去っていくエンディングは今観ても印象深いです。

今回観なおして驚いたのはマックィーンが主人公の成長を見事に演じ分けている所でした。台詞の言い方からして全然違っているのは驚きました。最初はちゃんと世間知らずの子供で、途中からは血気盛んな若者。終盤は成熟した青年という感じで、ほんとに年月を感じさせる変化でした。

そして、一番大好きな鉄砲売りのコードからご飯をご馳走になる場面。ご飯をおいしそうに食べる役者さんは間違いなく良い役者さんですが、マックィーンの美味そうなこと美味そうなこと。かぶりついて喉に詰まって慌てて川の水で流し込んだり、フライパンのビーンズを口いっぱいにほおばってガツガツ食べる感じとか、子供の頃に随分影響を受けたモンです(ボクはカレーであれをやります)。

全体的には勧善懲悪の西部劇とは全然違う異色作で、ヘンリー・ハサウェイが手堅い職人演出をみせているとはいっても非常に地味な雰囲気の作品なんですが、個人的には大好きな映画です。