男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

呪われた町

死霊伝説 セーラムズ・ロット [DVD]

amazonの紹介を見て知ったのですが、DVDのタイトルはトビー・フーパー版を踏襲した「死霊伝説」になっているようですね。あれは良い邦題ですからね。WOWOWで放送されたものをハイビジョンで鑑賞。こちらは原作の邦訳題「呪われた町」。

呪われた町(上) (集英社文庫)

呪われた町(上) (集英社文庫)

呪われた町(下) (集英社文庫)

呪われた町(下) (集英社文庫)

原作は高校生のときに「シャイニング (上) (文春文庫)」と同時期に一気読みした思い出深い作品です。物凄く面白かった記憶があり、アメリカの田舎町が吸血鬼の登場によって瓦解していく様が非常に生々しかったのですが、一番記憶に残っているのはボスの居場所を巡る謎解き部分(チョークの粉)。根本的に謎解きが好きなんだなあと思います。

今回のドラマ化では、細かいところで現代を舞台にした変更と、冒頭や終盤部分に変更がありますが、大体は一緒ですね。テレビ・シリーズだとキングのたっぷりと描かれる細かいドラマが描き易いんでしょうね。

劇場公開版に比べると冗長に感じられた「死霊伝説 完全版 [DVD]フーパーオリジナル版ですが、今回は前半部分でじっくりと吸血鬼に侵略されていく町を描いて、終盤では一気に主人公グループと町中の吸血鬼との戦いになっていく展開がなかなか燃えます。肝心の吸血鬼の描写もメイクや特殊な動きなども良かったと思います。ただ、灰になる描写がCG臭いのと、クレーンを使った窓からの進入シークエンスはフーパー版の圧倒的な恐怖感の方が勝っていたと思います。

ルトガー・ハウワーのバーローは、殆ど登場シーンがないにしろ抜群の存在感をみせてさすがな感じがしましたが、こちらもフーパー版のノスフェラトゥを意識した坊主頭の造型の恐怖が勝るかなあとも思いました。もっとも、原作にはハウワーの方が忠実なんですが。

冬の季節が寒々とした灰色の背景処理によって再現されている点も、個人的にポイントが高かったです。

ただ、全体的にはもっと、「侵略」モノとしての皮膚感覚の恐怖感が欲しかったとも思います。