仁義なき戦い

WOWOWで「仁義なき戦い」シリーズ一挙放送と題して、放送開始。

とりあえず大好きな一作目を。

雑踏の細かいディティールや、文太兄ぃを筆頭にしての「男面」感が異様なほど充実した再現度。フィルムの質感が場面場面で違っているのも演出上の効果だと思えるほど、それぞれの粒子感がキチンと再現されているようです。

もっとも、あまりにも面白いのですっかり没頭してしまうのですが。

深作演出のかっこよさが炸裂して、場面場面のテンションが異様に高いのですが、コメディ・タッチのシークエンスもやたらと面白いのが特徴ですね。当時だと「ゴッドファーザー」の影響が大きく感じられる構成など差し引いても、クライマックスの雑魚が死んでもテロップという感覚が抜群です。「組員二人重傷」なんてどうでもよかろうなのだ。

加えてやはり菅原文太のかっこよさは特筆モノ。

刑務所を挟んで３つの時代に分かれているのですが、それぞれ貫禄とか立ち居振る舞いが変わっているのが凄い演技力です。特に最後のシークエンスでの大物感というか凄味感は凄まじくて、田中邦衛の腰巾着ブリと併せて楽しめる競艇場事務所でのドスの利かせ方は燃えまくりです。

また松方弘樹が金子信雄の親分に反旗を翻す場面も燃える。

「おやっさん、神輿やないのっ。
神輿が一人で歩けるゆうなら歩いてみいや、おうっ！」