ジョゼと虎と魚たち
珍しく原作の短編を読んでいます。
田辺聖子さんの本は当然のようにこれしか読んだことがありませんが、なんだか良かったなあという印象が強いです。
<ネタバレ>
原作との比較は映画の感想ではナンセンスだと思いますが、なんでわざわざ別れると言うエンディングにしたのか理解できません。そこまでして涙が欲しいか?それも負の。逆に一人でも強く生きられるのか?現実はそんなに甘くないというのか?
映画は現実ではない。
現実なんぞリアリティと言う味付けに過ぎない。
まあ、それにしても妻夫木聡のご飯の食べ方は凄いです。それだけでも十分見る価値があると断言できます。前半部分は意図的にやたらと妻夫木くんがあらゆるご飯を食べるのですが、手作りのスパゲッティのすすり方、味噌汁とご飯の食べ方、焼き魚のほおばり方、挙句には何を食べてか分からないのに、「喰ったああ…」と後ろに倒れこむだけで旨そうな芝居炸裂。食べ物を美味しそうに食べられる役者さんは上手い役者さんと言うのがボクの中の指針なのですが、かなり100点に近かったです。妻夫木くんには映画の中で何か食べさせるべきだと思いますよ。
池脇千鶴はぶっきらぼうな中にも押し殺した感情が見え隠れする実に良いお芝居をしていたと思いました。特に「帰れ」と言っておきながら、本当に帰ろうとする恒夫を引き止めるくだりは凄く良かったです。
ラブホテルで登場する深海魚(?)のCGIは驚愕するほどのナチュラルさでビックリしました。また、虎を観に行く場面でのファーストカットで虎を真正面から捕らえるショットがあるのですが、これが実に良かったです。
それにしても……
余計な改変をするなよなあ……