男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

水曜ロードショーで放送されたジョーズ

http://www.geocities.jp/kariyahikaru/jaws.html

ボクの人生を決定的に変えた水曜ロードショーで放送された際の「ジョーズ」についてのページです。画面写真などを観ても懐かしくて涙がちょちょギレそうです。

ボクはそれからすっかり「ジョーズ」の虜になって、「ジョーズ」で得た興奮を追体験することに夢中になりました。実は現在でもそれが継続している訳で、ボクの娯楽に対する姿勢のベースには常にこの衝動が流れています。

先ずやることは記憶の再生。夜寝る時に必ず最初から思い出して再現する。後述しますが、これから1年半経ってから再見した本編と比べると、この時の脳内ジョーズではオルカ号のスケールやディティールが若干違っていたり、*1クイントの最後でも本編より若干長いストロークで海に引きずられていたりといった差異が確認されて、記憶の改竄の面白さも印象深かったです。
また、当時の記憶では「興奮した」という記憶だけは鮮明なシーンでも、なぜ興奮しているのかという要素が欠けている事も驚きでした。

例えば映画で最も盛り上がる

フーパー:「ななメートルはある!!」
(パンダウン)
クイント:「きゅうメートルだ…重さ3000キロ」*2

の後から望遠に切り替わって、フーパーがマストを滑り降りてからの戦闘準備シーン。

ここでも脳内ジョーズでは台詞や映像は丸ごと記憶されていたのですが、再見の際にここでジョン・ウィリアムズの「一番銛」がかかって、人間側のテーマが衝撃的なほど盛り上がってかかり始めるんですね。

このテーマが記憶に欠けていたのが驚きだった訳です。あのサメのテーマは有名ですし記憶に残りやすいんですが、人間側のテーマはまったく残っていなかったのが驚きでした。これは映画音楽の基本をあらわしているような気がするのです。まさに縁の下の力持ち。

それから写真を集めること。といってもパンフレットなどの存在も知らなかった人間なので(ちなみに「ジョーズ」を観るまでは実写の映画=いやらしいものという異常な思い込みがあったので映画の存在そのものを子供の頃は完全否定)廃品回収などにあるケイブンシャの「怪奇大全科」などに大喜びで食いついていました。多分その頃に余計な映画の知識が身についているのです。確か姉が買っていた中学1年生とかいう教育雑誌でもジョーズのテレビ放送が特集してあって、ブロディがオーロラ号(フーパーの高い船)でライトを構えている写真を飽きるほど観てました。
それから当然サメの図鑑とかも食い入るように観ては、ホオジロザメ以外のサメに難癖をつけていました。

「なにがジンベエザメや。でかいだけじゃ」
シュモクザメも獰猛なのはええけどでかさがたりんのお」
ハンマーヘッドシャークなんか論外じゃ。なんやあの頭は」*3

という不埒千万な発言ばかりを妹にしていましたが、妹は当然まったく聴く耳持たず。

木曜スペシャル水曜スペシャルでサメの特集なんかあった日には目の色を変えて観ていました。やっぱりここでもホオジロザメはサメ中のサメ扱いで、別格です。勿論あのサメのテーマは絶対に無許可で流れまくってました。もう当時はあの音楽が流れるだろうというだけで観ていました。ほら、サントラなんていうものも知らなかったし。

それから、やっと映画です。

ボクは映画=ジョーズなので、映画を観れば全部「ジョーズ」と同じ興奮を味わえると思っていました。そこで普通なら「ジョーズ」みたいな面白い映画は全映画史を観ても数えるほどしか存在しないのですから、映画に幻滅してもおかしくないハズなんです。それでもまるで問題なく映画にも夢中になっていたわけなので、映画という娯楽形態が本当に好きだったのでしょう。おかげで「タワーリング・インフェルノ」に興奮したり、「ニューヨーク1997」に興奮したり「ピラニア」に興奮したり「アリゲーター」に興奮したり「グリズリー」に興奮したり「「ルパン三世カリオストロの城」に興奮したりできた訳ですからね。

ところが、他の映画を観れば観るほど、「ジョーズ」との違いも気になってくる。たんにサメが出ないだけじゃなく(逆に言うと他のサメ映画は、そんな何でも受け入れられるあの頃の自分ですら「なんか違う…」と感じざるを得ないようなトホホなものが全て)、何か根本的に面白さが違うと感じ始めたわけです。

ボクにとって映画の観方というものは「ジョーズ」との比較が先ずあって、それからその映画自体の検証に結びつくことになるんですね。

大体最初に観たモノがそういう基準になる可能性は高いと思いますが、それが「ジョーズ」でよかったと心の底から思いますよ。


それにしても今回紹介させていただいたページは最高です。


第6回の「恐怖!残酷!世界大ショックシーン特集」

第15回の「いま明かす特撮のタネとシカケ」

ビデオで擦り切れるほど観たので、感涙モノでした。

*1:当時図画工作の時間に粘土細工があったのですが、ここではクイントの最後のシーンを完全再現していたので、記憶の差異は簡単に確認できたのです。

*2:やっぱり、トンじゃだめだよね。わざわざ桁を多くしてキロじゃないと。英語はちなみに「3トン」って言っているので、いい訳です。ちなみに長さはフィーとなので、フーパーは「24(フィート)」それをクイントが「25(フィート)」と言い直しています。24フィート→7m31.5cm 25フィート→7m62cm 日本語訳は随分サバを読んでますが、それがいいんです。しっかし、たかだか30センチぐらいの長さをわざわざ訂正するクイントがいいですなあ。

*3:シュモクザメハンマーヘッドシャークは同じサメです。念のため。