男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ターミネーター3★★1/2

あやや似


WOWOWで鑑賞。

ジョナサン・モストゥ監督は「ブレーキ・ダウン」を劇場で観て、「U-571」が大好きな映画だっただけに、今回の抜擢は物凄く期待していた。

ただ、前二作が自身によるオリジナル脚本だったのに、今回は人の手によるもの。一抹の不安が……


的中した。

単純にあまり面白くないのだこれが。

まったく気持ちが高揚しない。シリーズの一本としては論外としても、単体としてみてもあまりにも展開が薄っぺら過ぎないか?
上映時間が短いのは評価に値するとしても、中身が薄いんじゃ話しにならないんじゃあ。

世界の終末である、「審判の日」がいよいよ舞台になるのに、こんなにスケールが小さくてどうする!?

また、モストゥ監督にはCGIなどに対するセンスがあまり感じられない。どう考えても二昔前のテイストに満ちている。没入以前に白ける(いや、没入させないから白けるのだ)。

ただ、女性型ターミネーターT-X(こいつがまたT-1000に比べてなんとも退化した性能なのが恐れ入る)を演じたクリタナ・ローケンはビッチリとした髪型や、首をかしげる仕草など、個人的には好みではある。(もうちょっと無表情でもいい気はするけど)

もっとも、女性型とは言え、戦い方はまるっきりシュワルツェネッガータイプと同じ肉弾戦主体なのがもったいない。トイレ内での重量級対決はなかなか見るものがあったが、女性型なら士郎正宗の傑作アニメ『ブラックマジック M-66』*1の半分ぐらいは華麗なアクションを魅せてほしかった。

前半のカーアクションも、アクション自体の新鮮味には欠けるが、冗談寸前の破壊のカタルシスや、フォローショットの中でぐるぐる回転する車と、車のふっ飛ばし方の切れ味は特記すべきかもしれない。ただ、ストーリーの中での盛り上がりは前作『ターミネーター2』での同じモチーフである用水路での一台チェイスとは比べようも無い。

とにかく観ている間中、「キャメロンってやっぱり凄かったなあ」と、13年も前の映画を思い出すのが辛かった。

*1:このアニメはOAVでありながら、士郎正宗のマニアックなアクションへのこだわりが思う存分描かれているる、対ロボットアクションの金字塔。上映時間48分の中にこれだけ濃密度で燃える要素がてんこ盛りで、ロボットでアクションをするならこの作品は明確なハードルになる。もっとも、これを超えるようなロボットアクションはいまだに無い(ただし『ロボコップ2』のクライマックスは別のベクトルの素晴らしさに満ち溢れていて甲乙つけがたい。)が、もし「アイ・ロボット」がそんな事になったとしたが、心が複雑すぎてパニックに。