ターミネーター3★★1/2
WOWOWで鑑賞。
ジョナサン・モストゥ監督は「ブレーキ・ダウン」を劇場で観て、「U-571」が大好きな映画だっただけに、今回の抜擢は物凄く期待していた。
ただ、前二作が自身によるオリジナル脚本だったのに、今回は人の手によるもの。一抹の不安が……
的中した。
単純にあまり面白くないのだこれが。
まったく気持ちが高揚しない。シリーズの一本としては論外としても、単体としてみてもあまりにも展開が薄っぺら過ぎないか?
上映時間が短いのは評価に値するとしても、中身が薄いんじゃ話しにならないんじゃあ。
世界の終末である、「審判の日」がいよいよ舞台になるのに、こんなにスケールが小さくてどうする!?
また、モストゥ監督にはCGIなどに対するセンスがあまり感じられない。どう考えても二昔前のテイストに満ちている。没入以前に白ける(いや、没入させないから白けるのだ)。
ただ、女性型ターミネーターT-X(こいつがまたT-1000に比べてなんとも退化した性能なのが恐れ入る)を演じたクリタナ・ローケンはビッチリとした髪型や、首をかしげる仕草など、個人的には好みではある。(もうちょっと無表情でもいい気はするけど)
もっとも、女性型とは言え、戦い方はまるっきりシュワルツェネッガータイプと同じ肉弾戦主体なのがもったいない。トイレ内での重量級対決はなかなか見るものがあったが、女性型なら士郎正宗の傑作アニメ『ブラックマジック M-66』*1の半分ぐらいは華麗なアクションを魅せてほしかった。
前半のカーアクションも、アクション自体の新鮮味には欠けるが、冗談寸前の破壊のカタルシスや、フォローショットの中でぐるぐる回転する車と、車のふっ飛ばし方の切れ味は特記すべきかもしれない。ただ、ストーリーの中での盛り上がりは前作『ターミネーター2』での同じモチーフである用水路での一台チェイスとは比べようも無い。
とにかく観ている間中、「キャメロンってやっぱり凄かったなあ」と、13年も前の映画を思い出すのが辛かった。