こちらも剣客商売の番外編である。「ないしょないしょ」に比べると、上下巻あわせて1000ページ近くの大作だが、勿論あっという間に読まされる。
こちらの時代設定は秋山小兵衛が30代前半で、自分の道場を開いて最初の妻お貞と結婚する頃だ。
脇役たちにそれぞれニヤリとさせる仕掛けがあって、シリーズ読者にはなによりのご褒美だ。
そして、一本の話としてみると、運命に翻弄される剣一筋の剣士「波切八郎」の物語であり、そこに小兵衛が絡むという按配だ。
こちらも最後はジーンと感動させてくれる。
(「おお、なんという感動的なおなら!」)