『ダイヤモンドは永遠に』を観ました……
先日に引き続き、今回は『ダイヤモンドは永遠に』を観ました。
これは中学生時代レンタルビデオで観たっきりでしたので、ノートリミングは初めてとなります。まあ、その、シネスコだからどうなんだっていう感じなんですけどね。
最初に観たきり観返していない事からも分かるように、実にショボい映画です。『ゴールドフィンガー』という傑作を作ったガイ・ハミルトンは思えないほどダルダルな作品。『女王陛下の007』が興行的に苦戦したことから、ものすごいギャラで復帰したショーン・コネリー。そのギャラは丸ごと寄付してしまったそうなので、コネリー自身も007に対しての恩を返すような意味で出演しているんでしょうね。
冒頭で登場するのっけからショーン・コネリーが全然ボンドに観ないのには正直驚きました。続けて観ているとけっこう風貌が変わっているんですよね。多分太ってしまっているからなんでしょう。『二度死ぬ』でもかなり丸くはなっているんですが、それでもボンドらしかった。今作ではカツラの出来すらショボいようで、それも含めてボンドらしさがまるでない。
とは言っても、観ている内に段々とボンドっぽくなっくるのはさすが。
ここまでショボいショボいと言い続けているので弁護しますと、これだけの世界規模の大作シリーズでこんなに続いている映画は007シリーズ以外存在しないわけでして、当時ですら多分7作もあるっていうのは相当な作品です。ぱっと思いつきませんもん『○○PART7』なんて。『13日の金曜日』で考えればどれだけPART7がショボくなるのかは察して余りあるw
厭なことに、この作品は僕が生まれた年に公開している(1971年)ので、当時007というシリーズがどういうイメージで世間で捉えられていたのかはわかりません。ただ、おそらく「もう7作目かよ」という風な惰性で作られているよう雰囲気もあったのではないでしょうか。それでもコネリー復帰作ということで、前作を大きく上回る大ヒットを記録していると言うんですから恐ろしい。こんな映画がw
ハッキリいうと見所もなんにもないつまらない駄作なんですが、シャーリー・バッシーの主題歌だけは印象的で大好きなんです。
ガイ・ハミルトンは『ゴールドフィンガー』でもコミカルなタッチを作品に持ち込んで、ボンドの世界観を大きく広げることに貢献しています。なので、この作品でも「それなんなんだよ?」という観客を突き放しているようなギャグが多数挿入されるのが特徴。
特に月面作業車(これもまあ、自主制作のようなチャチさ)を奪って逃走するボンドや、そこから小型のバギーに乗り換えてこぢんまりと走るショーン・コネリーのビジュアルはそれだけでもかなり面白いことは事実です。007に誰がそんなものを望んでいるかは別として、後の漫画チックになっていくシリーズの嚆矢としては意外に意味のある作品かもしれません。
それにしても眠くなる映画ですよ。