男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『キャット・ピープル』★★1/2

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恐怖演出の際立った効果

ジャック・ターナーに興味が湧いてきたので、まずは代表作とも言える本作を観ました。

ホラー映画初期の代表作と評される事も多い本作。72分という当時の典型的なプログラム・ピクチャーらしい企画なのですが、ジャック・ターナーの際立ったホラー演出のセンスによって、一味も二味も違うことは明白です。ドラマ部分は結構退屈なのですが、いよいよとなるシークエンスでは唐突ともいうべき抜群の恐怖演出が冴え渡り、居住まいを正さざるを得ない。暗部の使い方やFIXを効果的に使った編集、豹自体を登場させず(そもそもそういう発想があったかどうか)、「気配」のみで観客に恐怖を喚起させる演出は、後々のホラー映画に絶大な影響を与えたことは明白。

それでいて、クライマックスでの「変身」シーンでは、見事にディゾルブなどの効果を巧みに使って決定的に盛り上げてくる気合も素晴らしい。

個人的に恐怖の対象に同情を誘うような恐怖映画はあまり好みではないのですが、それを差し引いて余りある傑作ではないかと思います。