『抱きしめたい』★★★1/2
予告編にだまされる良作
個人的には『抱きしめたい』というタイトルはゼメキスのデビュー作というイメージですが(まあ、あれはビートルズの有名な曲のタイトルでもあるんですが)、今作のタイトルも本編でのさりげない使い方や、映像での表現も含めて適切なタイトルなのかもしれません。
もちろんW浅野の『抱きしめたい!』でもない。
もっとも、全くと言っていいほど興味もなかったので、予告を観た後もタイトルすらまともに覚えていなかったことを告白しておきましょう。
それぐらい昨今の日本映画に氾濫している「お泣かせ映画」の多さに辟易しているのですが、反面そのどれも観てもいないで目をそらし続けているのも大変よろしくないと反省させられる映画でもありました。
「予告に騙されてはいけない」
という感想や評判が聞こえてきたので、パスポートがせっかくあるのだからと観に行ってきたのですが、いやいや噂通り「パスポートで観た」のが申し訳なく思えるほどの良作でしたよ。
塩田明彦監督の作品は不勉強で初めて観るんですが、フィルモグラフィーを観るとやはり「タイトル」は認識していても、目を背けていた作品が多いんですよね。いい機会なので観てみたいと思います。
主演の二人もすごくよくて、お泣かせ映画路線にありがちな押し付けがましい芝居をギリギリで抑えています。