男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『サウンド・オブ・ミュージック』のブルーレイを観ました。


風景が綺麗過ぎる

発売してからずいぶん経ちましたが、やっとこさ鑑賞。

何と言ってもまずはブルーレイの超絶クオリティ。全編通して70ミリ映画ならではの濃厚な映像が堪能できます。書割なんじゃないかと思えるほど綺麗な風景なんですが、小さな自転車なんかが走っていたりして(それがまた細かく見える!)衝撃的な綺麗さです。

今話題の4Kなんかになったら、この映像をオリジナルのまま観られるわけですが、そうなるともっともっと大きな画面でないと堪能しきれないんじゃないでしょうか。それぐらいフルハイビジョンでもポテンシャルが十分に伝わってくる映像です。

またDTS-HD 7.1chのサウンドが実に美しい。ロバート・ワイズ監督が目指した「カメラが外に出たミュージカル」をサウンドの面でも支えているのがよく分かります。肝心の歌の部分もいいんですが、やっぱり自然な環境音が丁寧に挿入されているし、修道院などの反響音なども美しい。

・・・

何度か書いているのですが、ボクが初めてこの映画を観たのはテレビで放送された90分のカット版。インターミッションなどをのぞいてもほとんど半分ぐらいにカットされています。ただ、ノーカット版を観ても結構端折っていると言うか、あっさりとしたストーリーなのに驚かされます。3時間近くあるのに、ストーリーは殆ど無いに等しく、やんちゃな修道女のマリアがトランプ家にガヴァナーとして赴いて、あっという間に子どもたちと仲良くなって、歌をみんなで歌っていたら頑なだったお父さんの心もあっという間にほぐれて、ついでにそのままふたりの恋が盛り上がる。そこでインターミッションがあるんですが、マリアは修道院のマザーに歌で諭されて戻ってくると、あっという間にお父さんの気持ちをゲット、物分りの良い婚約者の男爵夫人もあっけなく身を引いて結婚式。すると、ナチスが台頭してきてハネムーンから戻ったその日に亡命。
ホントこれだけの話なんですが、だからそれぞれのシーンが緻密かというとそうでもなくてw
ミュージカルだから気持ちはだだ漏れだし、恋の鞘当てや逡巡がたっぷり描かれるというわけでもない。まあ90分ぐらいのストーリーに歌をもりこむと3時間ぐらいになるっていうのがミュージカルのパターンですから、この映画もそれにもれないんですね。
でも、後半はほとんど新しい歌も唄わないし、結婚したら残り30分ぐらいで国外逃亡のサスペンスになっちゃうんで、そんなに長いというイメージでもない。ここらへんは異様に美しい風景の力や、ロバート・ワイズ監督の職人演出のなせる技なのかもしれません。

心象風景をフィルターをかけて表現する演出があるんですが、これが意外に雑なのもちょっと笑っちゃいました。マリアに恋心が芽生えるショットで、ジュリー・アンドリュースのカットではフィルターがかかっているのに、クリストファー・プラマーの切り返しは普通のカットだったりw

前半部分の子どもたちとハイキングに行ってドレミの歌を唄うシークエンスはとにかく傑作で、雄大過ぎる山並みをバックに歌ったかと思えば、風光明媚な街並みの中でのドリーショットや移動ショットなど、70ミリカメラを使っているとは思えないほどダイナミックなカットが続出する。そのどのカットも美しいってのもやっぱり70ミリの力が大きいと感じさせてくれます。

なんにせよ有名過ぎるナンバーが続出するだけに、観ていて楽しい気分になることは間違い無しの素敵な映画です。



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史実に近いと言われるこちらのアニメも観てみたいなあ。どっかで再放送しないかしら。