男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『映画「けいおん!」』★★★1/2

抜群のスペシャル感が味わえる

本来なら公開初日に行ってもおかしくなかったのですが、ずるずると後のばしにしていたら結局年を越してしまいました。元日だから何か観に行こうと思った時にバッチリなイメージだなと思っていよいよ観てきました。ワーナーマイカルに入るといきなりお正月バージョンのポスターが貼ってあって「ちゃんと用意していたんだ」とびっくり。抜け目がない。

本編は番外編の「計画!」で伏線が張ってあった海外旅行編。前半部分で旅行先を決めるあたりが一話分、いよいよロンドンへ行ってからの部分が二話分、日本に戻ってきてからが一話分という感じの時間配分。

前半部分でみせてくれるいつも通りの「けいおん!」感のユルユルぶりはなかなか笑えるし、唐突に初めて登場する唯の両親にも驚く。そして、朝早くから集合→空港到着→搭乗手続き→離陸→機内食→睡眠→窓の外の風景などなどと仔細に描かれる「初めての海外旅行」部分が出色。うちの奥さんに言わせれば「もっと細かくてもいい」ぐらいこのパートは素晴らしかった。

そしてロンドンに到着してからのタクシーの描写やホテルの間違い、地下鉄、そして回転すし屋さんでラブ・クライシス(!)と間違えられての無理矢理な演奏など、初日のパニック感も実に「旅行」している感じがしてたまりません。二日目のオーソドックスなモンタージュによる観光描写も、テレビ物が映画版になったというスペシャルな雰囲気がよく出ていて大好き。

またまた無理矢理演奏する羽目になったクライマックスのライブでは、大好きな♪ごはんはおかずをやってくれてテンション上がる。

個人的には映画版はスペシャルな番外編というイメージだったので、終盤のあずにゃんへ贈る歌のあたりはテレビとかぶる上に蛇足感が強く、ロンドンでの演奏を無理やりやってるぐらいなんだから、日本に戻ってきたあたりで終わっても良かったように思います。

・・・

最初のデスメタルバージョンのタイトルがまんま『グーニーズ』だったのも大笑い。唯がインチキアミダの罰でヨーロッパと書かれたお面を顔に貼られるギャグも場内大受け。

けいおん!』の持ち味の中でも特別好きなシュールな「夢」ギャグもちゃんとあずにゃんのみる夢で炸裂。テレビ本編よりは若干抑えめとは言え強烈な破壊力。

日本に戻ってきてからが蛇足とは言え、教室での演奏は第二期のOPでの演奏シーンにつながるので感動的でした。だからこそ、ますます最後のあずにゃんへの演奏シーンがしつこく感じてしまい、一本の映画としては終盤がくどすぎる。

京都アニメーションの驚異的なクオリティはさすがで、ロンドンの写実的な風景にあのキャラクターが違和感なく溶け込んでいるさまは圧巻。

何にしろテレビシリーズから通して観ている人間にとっては最高のプレゼントとも言えるスペシャル感溢れる作品。


そういえば、映画版は「!」が一つなのね。