男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『タイムライン』★★★

あれ? 面白い

クライトンの原作は発売の時にけっこう夢中になって読み終わった記憶が。クライトンに飽きてきた頃だったので「意外」だったのを覚えています。この映画も公開時に「リチャード・ドナー監督だからいいか」ってな調子で華麗にスルー。別段いい評判も聞かなかったし、そのまま「観たいリスト」からも除外。

先日BSプレミアでHD&5.1chという意味不明な良い待遇で放送されたのを一応録画。『クレイジーズ』があんまりにもつまらなかったってわけでもないんでしょうが、本当に適当に観始めました。

もちろんドナー監督らしい「ゆるさ」は全編通して散見するんですけど、定番通りの職人演出が幸いしているのか、すごく楽しんで観てしまいました。ストーリーもかなり覚えていたので、それが割合忠実に映像化されているのも良かった。

クライトンの少しだけ散りばめられた「ロマン」の部分がキチンと活かされており、それを担うジェラルド・バトラーが儲け役。

ポール・ウォーカーは常に険しい顔をして主人公ぶっていますけど、この映画の実質的な主人公はジェラルド・バトラーだし、「ファントム」以前の彼のみずみずしい魅力が作品を底上げしているように思いました。

これはいいよ。

とは言っても、クライトンならではの「技術小説」の側面が根こそぎカットされていて、原作ファンとしては物足りない。でも、だからこそロマンチックな娯楽作品になっているようにも思える。クライトン小説の映画化が実は難しいと思える部分ですね。

ブライアン・タイラーの音楽は派手派手で結構盛り上がるんですけど、リジェクトされたというジェリー・ゴールドスミスの音楽がそのまま使われていたらどうなっていたんだろうなあ。