男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『トゥルー・グリット』★★★1/2


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歳の差カップ

ちょっとだけ体調が回復してきたので、やっと営業再開したワーナーマイカル板橋に観に行ってきました。ちょうど震災直後の19日から公開予定だったのですが、結局3週間もずれてしまった。

コーエン兄弟の映画は随分御無沙汰ですが、ルースター・コグバーンのファンとしてはこのリメイクはぜひとも観たかった。ジョン・ウェインが演じたコグバーンを今のりにのっているジェフ・ブリッジスが演じているのですが、これが実にハマっていて良い。アカデミー賞を受賞した『クレイジー・ハート』にひき続いての、性根の座った「飲んだくれ」芝居が最高でした。馬から転がり落ちて、銃までホルスターから落ちてしまうあたりは神業。「覚束無さ」が半端じゃないんですよ。しかし、それだからこそ、いざという時の大活躍が実に燃える。

中盤とクライマックス以外は特に銃撃戦などの見せ場があるわけではなく、決してアクション映画ではないのですが、その二箇所の銃撃戦が渋くて燃えるんですねえ。

主人公のマティを演じたヘイリー・スタインフェルドが存在感バッチリで、帳簿係を務めていたという設定と共に、「減らず口」で大人たちと渡り合う前半部分が好きです。天丼が鉄板のギャグも大笑いですし。

コーエン兄弟ならではの突発的なバイオレンス描写も炸裂しますし、ロジャー・ディーキンスによる気持ち悪いぐらい美しい撮影も圧巻。とくに雪の描写が雪好きには堪えられない。おなじみのカーター・バーウェルの地味だけど美しい音楽も印象深い。

ストーリーとしては基本的に「復讐は代償を伴う」というテーマに基づいていますが、個人的には13歳の少女と60越えた老人との愛情に心打たれました。川を渡ってくる少女をなんとも言えない表情で見つめているジェフ・ブリッジスが実にいいんですよ。マット・デイモンもサポート役に徹底してかなり美味しい。あの二人の間に挟まれておじゃま虫みたいな状態を半ば自覚している感じが凄くいいんですね。

余韻の残る良い映画でした。