男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『RED』★★1/2

<公式サイト>

ヘレン・ミレンが美味しすぎる

初日に観ておかないと一生観ない気がして。

アカデミー賞を受賞するとはっちゃける系譜に、新たに『クイーン』で主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンが加わりました。

ブルース・ウィリスが引退した最強特殊工作員(『超危険な年金受給者』)を演じ、年金給付の電話オペレーターの女性に恋心を抱いているという、なんとも「しっとり」とした幕開け。しかし、当然のように大騒動に巻き込まれてアメリカ全土をまたにかけたアクションを繰り広げるというお話。

引退した身であるブルース・ウィリスは、現役集団とやりあうために同じく引退したモーガン・フリーマンジョン・マルコヴィッチらを仲間に加えるのですが、そんな中でもMI6に所属していたという、文字通り「殺しのライセンス」を持つ女性ヘレン・ミレンが少ない出番ながら美味しいところをかっさらっていっています。

作品としては、ハーレクイン的なドラマに憧れているオペレーターのヒロインのキャラ設定が弱いのと、彼女の視点で描かれるべきストーリーが、ブルース・ウィリスたち「老戦士」たちをメインプロットに据えているためにかなりどっちつかずの構造になっている点が惜しい。

もっとも、予告を観た段階から「こういう感じ」だろうなと思ったとおりの映画だったので、別段文句のあるわけでもなく、そういう意味では安心して観ていられるタイプの映画です。

そして、何よりも先ほど書いたようにヘレン・ミレンが美味しすぎる。彼女のスナイパーぶりを観るだけでも必見。スコープを覗くときもちゃんと「両目を開けて」いるし、重火器を乱射しようがサブマシンガンを連射しようが「瞬きひとつしない」プロフェッショナルぶり。『リーサル・ウェポン』のメル・ギブソンに爪の垢でも煎じて飲ませたいぐらいです。

勿論、ブルース・ウィリスも「アクション映画」のキャリアが役者内でも飛び抜けて高いだけあって、ハンドガンの連射テクが半端じゃないです。

しかし、先日『インビクタス』を観たばっかりだったので、モーガン・フリーマンの豹変ぶりが素晴らしかった。しかも「ゆるゆるモード」のフリーマンだったのも良い。『インビクタス』と真逆の「独裁者」コスプレは爆笑。やっぱり「違いの分かる黒人」ナンバー1だなあ。

監督のロベルト・シュヴェンケは『フライト・プラン』の人なのね。あれもどっちつかずな凡作でしたが、あれよりははるかに楽しめました。

そういえば、撮影のフロリアン・バルハウスはスコセッシ黄金期を支えたミハエル・バルハウスの息子ですって。『プラダを着た悪魔』とかもやってたんだ。全然気づかなかった。