男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

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アメリカ人って突然こういうの作るよね。

(以下ネタバレ)


思えばアレックス・プロヤス監督はSF野郎だったわけで、そういう意味では「そういうジャンルだったのか」という驚きが味わえました。

最近のチャンネルの鈍さが幸いして、なんの予備知識もなかった状態で観たのですが、ラストに宇宙船(だよねあれ?)が登場したときは、意外に「合点」がいったのが驚きでした。

「ああ、だからつきまとっていた連中しゃべんなかったのか」

とか。

ただ、だからといって、やっぱりアメリカ人に向けて作られているある種の宗教系の匂いは好きにはなれません。

羅列された数字が導きだす預言も、

「ええ!? そんな直接的なの?」

と言う拍子抜けさ。

MITの先生が主人公なんだから、もっと常人には解き明かせない解法をみせてくれよと。

物置の扉に書かれた文字列もあからさますぎるし……

そもそも、あの文字列の預言が無くたって、どうせつきまとっていた連中が連れて行くんだから、あれ必要なのか?

まあ、そういうのはこの際おいとくとして、中盤までの不気味なタッチは「プロヤスなかなかやるじゃん」という感じのムード満点でした。

プロローグの不気味さはなかなかのモノで、夜の学校を探索する短いシークエンスなども恐怖感をけっこうあおってくれます。


飛行機が墜落するショットから1カットで地獄絵図の中を延々ニコラス・ケイジが右往左往するシーンはなかなか衝撃的で、「どうやってんだ?」と久々に特殊効果的な驚きが味わえました。

「数字の預言」

と言うテロよりもある意味たちの悪い理由付けで大殺戮を展開する地下鉄駅構内の惨劇は、『ダイ・ハード3』を観たプロヤスが「俺ならもっとグチャグチャにするのに」というアンサーだったように感じます。

結局のところ、やりたいことは「大量に人が死ぬシーンをどうやってコジツケて映画にするか」ってことが命題ですから、宗教色はあくまでカモフラージュですよ。

そういう意味では、ベクトルは違うものの『フォーガットン』の方がやりたい事がハッキリしていて潔く感じましたよ。


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本編のトンデモ展開のさることながら、中盤に用意されたショック演出には誰でも腰が抜ける事確実。

あれはホントに心臓が止まるかと思いましたよ。