男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

崖の上のポニョ

久々に宮崎駿の陽性の部分が炸裂!

パンダコパンダ [DVD]
ボクの宮崎駿ファースト・インパクトは『カリオストロの城』なのですが、少し後になって夏休みの朝に観た『パンダコパンダ』『同・雨ふりサーカス』のインパクトも相当なものでした。

よく『となりのトトロ』の原点のような扱いを受けており、もちろんデザインや明るい部分には共通点が多いのですが、『トトロ』は現実の世界の描写はあくまでもリアルなんですよね。反して『パンダコパンダ』は描かれる世界そのものが完全に漫画漫画しているというか、ほとんど力ずくで喋るパンダ親子が存在することを容認する世界を形成しているんですね。そのくせパパンダが動物園に”通勤”するという驚天動地のオチではちゃんとタイムカードを押して退社するという見事すぎるポイントがあったりするのが素晴らしいんです。そして、続編の『雨ふりサーカス』となると世界観がもう確立しているもんだから、宮崎駿のやりたい放題のイマジネーションの連続に終始していて、それはもう子ども心に身震いするほど面白かったんですね。

<以下ネタバレ>


今回終盤に笑ってしまうぐらい呆気なく洪水で世界が沈没してしまったあたりから、ボクなんかはグイグイ引きこまれてしまいまして。「『となりのトトロ』ぐらいの原点回帰なのかな?」ぐらいに事前に思っていたら、まさか『パンダコパンダ』まで戻るのかよ!! と言う嬉しい驚きだったのです。

個人的にポニョが猛烈に可愛かったのがよかったですね。金魚(?)の頃も、人間になってからも随分と可愛かったです。声をアてている奈良柚莉愛という子の声も絶妙でしたね。
主人公である5歳の少年宗介は宮崎アニメ特有の優等生キャラ(それも超がつくほどの!)で、それはもう開き直ったとしか思えないほどの出来すぎブリをみせてくれます。こちらも声をアてた土井洋輝くんが説得力があってよかったです。(「上々」なんて爆笑だよ!)

往年の頃に比べるとギャグがあまりなく、この手の作品の上映時間比率でいえば随分静かな作品と言えるのが少しさびしい感じもします。が、要所要所で宮崎駿ならではの「なんだそりゃ?」が炸裂しているのも個人的には大爆笑でした。

ポニョの父親がフジモトという苗字だけで呼称されるのも非常にツボで、でっかいお母さんが現れるや

「フジモト…」

とカマしてくれたシーンは大爆笑でした。苗字かよ!

他にも折角お母さんのリサが柔軟にポニョに「水が出るかな?」とか「火がつくかな?」とかやってんのに、ニコニコと「それはタンクがあるからだよ」「プロパンだからだよ」と説明する宗介も最高でした。それをスルーするポニョもポイント高いですけどね。


全体的にまさかこんな映画になっているとは思っていなかった分、評価が上乗せになっているかもしれないですけど、思う存分楽しませていただきました。

追記:

ポニョの妹たちはイチイチ面白かったなあ。矢野顕子が多重録音でワサワサ声を入れているのも面白い。台詞ないし。