28週後…
冒頭のシークエンスからしてギスギスした閉塞感と、いざ感染者が襲ってきてからのたたみかけ方や、だだっ広い野原の丘を越えて次々と突っ走ってくる感染者の図が、ボクの中の悪夢を丸ごと再現したようでグイグイ引き付けられました。
本編に入ってからのロンドンでの攻防も、ホラー映画にありがちなユーモアを一切排したシリアスなアプローチで期待通り。個々のシークエンスでの”静寂の緊張感”も見事で、ゾンビ系映画の側面の一つであるモンスター映画としてのアプローチは思う存分楽しめました。
『28日後…』の中盤まで色濃く漂っている、「人のいなくなった世界での生活」と言うアプローチはまったく排除しているのも、続編としては正しい判断だったと思います。
もっとも、スピルバーグやグリーングラスから始まり、『クローバーフィールド』へと繋がる、”過剰なリアリティ”は思ったほどではなく、地獄で一緒に焦るという感覚が乏しかったのは残念でした。