ワンダと巨像

現在個人的にゲーム強化月間として、面白いゲームをやり直しています。『ＩＣＯ』チームが手がけた第二段のこの作品。死んだ少女を生き返らせるために、禁忌を破って儀式を行うワンダ。１６体の巨像を倒すと願いがかなう。巨像にはそれぞれ弱点があって、ワンダは取り付いてそこに剣を突き立ててやっつける。
完成された見事な世界観は『ＩＣＯ』譲り。巨像の重圧なモーションに加えて、望遠レンズを想定したカメラワークによる見事な演出が他のゲームでは味わえない『対巨像』感を存分に味あわせてくれる傑作です。
バラエティに富んだエリアマップと、巨像の造形そのものがパズルとしてのマップになっているのがアイデアの勝利で、動き回るそのマップをいかに攻略するかが醍醐味。
そして、特筆なのはＲ１ボタンを押すことで巨像の毛の部分などを”掴む”アクション。これがあることで、アクション・ゲームに一番大切な「操作の一体感」が生じ、振り落とされないように必死に人差し指に力を入れてしまう。
『スーパーマリオブラザーズ』の”スリップ”、『ゼルダの伝説』シリーズの”押す””引っ張る”に相当する見事な発明。

ストーリーはシンプルながら、ラストに待ち構える悲哀に満ちた展開は涙なくしては見られないです。

『ＩＣＯ』チームは現在PS3で『続編』を製作中ですが、どちらの続編なのか気になるところです。