ハードキャンディ デラックス版 [DVD]
公開時に”少女が大人の男をわなにかける”というプロットだけをしっていましたが、ちょうどWOWOWでHD放送されたのを機に観ました。
<ネタバレあり>
ホラーでもサスペンスでも、生理的もしくは精神的に最大公倍数の痛みや恐怖が描かれると、大抵ものすごく印象に残るものです。
『悪魔のいけにえ』の背中フック
『死霊のはらわた』のアキレス腱鉛筆刺し
『バウンド』『シャーキーズ・マシン』(その他諸々)の指ジョギン
『エクソシスト』の首注射
『ブレイブハート』の内臓拷問
『死のロングウォーク』のプロット
『ディア・ハンター』のロシアン・ルーレット
などなど。
どれもこれも想像するだけでめまいがするような恐怖と痛さですが、この映画ではいよいよ新たなアイデアが仲間入り。
”去勢”
しかし、これだけは男にしか分からないので、ロリコン犯罪者に対する警鐘という表向きのテーマにうまく合致させたのはお見事でした。(もちろん製作者の意図は「単なる拷問殺人映画よ」)
それにしても、いよいよそのシークエンスが始まってからのテンションが半端じゃなくて、文字通りずっと金玉縮み上がりっぱなしでした。少女の冷酷さが精神を集中的に攻めてくるあたりも、見事な「拷問映画」として成功しています。ことに及ぶ前にすんごく間を空けたりするあたりは白眉。
「ごめんなさい悪ふざけがすぎたわ。希望を持たせるようなまねをして……。さっそと済ませるわね」
ギャーーース!!
”拷問”は人間の想像力の凄さを証明する負の極ですが、現実にはもっと酷いことが実際に行われているんだろうなあと考えると身の毛がよだつ思いです。
ただ、女性に対してはこの映画はどういった印象を与えるのか想像が出来ません。あんまり面白くないような気もしますが、そこに至るまでのジワジワと締め付けられるサスペンス演出が結構見ごたえたっぷりなので、意外にいけるのかも。
昔母親に「オッパイ殴られるのは、金玉蹴られるのと同じぐらい痛いんや」と脅された覚えがあるのですが、それと代替すれば恐怖が理解できるのかもしれないですね。
しかし、氷で冷やすて!!
悪趣味な映画であることは間違いないので、お勧めもしないし二度と観ないと思いますが。