男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

キング・コング(HD DVD版)

先日購入したXbox360HD-DVDプレイヤーですが、遂にHD-DVDソフトを鑑賞しました。

恐らくHD-DVDソフトの国内では定番といってもいい位置にあるソフトじゃないでしょうか。

劇場公開版で北米版には付属している特典などもない盤ですが、HDディスクとしてはかなり極上の部類に入るソフトだと思います。
現在は『007 カジノ・ロワイヤル (Blu-ray Disc)』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどでAVCが恐ろしいほど高画質化を果たしたわけですが、こちらのVC-1もなかなかフィルム・ライクな味わいが満点で大変好印象です。

もちろんこの印象には『キングコング』自体の執拗に詰め込まれた映像の緻密さも大いに関与していて、スカルアイランドでのジャングルの生態系描写にはあきれ返るほどです。

人間のキャラクター以外はほぼCGIによる映像なので、言ってしまえばCGアニメそのものなんですが、実写としてのクオリティを極限まで突き詰めている結果、大きな恐竜などのオブジェクトだけでなくその周りに飛び回る小さな虫たちが異常な細かさで描きこまれているのが圧巻です。そして、DVDではSEだけでしかその存在が感じられなかったそれらがキチンと視覚で知覚できるのが濃密な状況描写となって観客に迫ってきます。これこそピーター・ジャクソンたち製作者が目指した演出の最たる点なのですから、それらを再現できるHDメディアはこの映画に相応しい入れ物という感じです。

作品の一大クライマックスともいえる恐竜とのバトルでは、恐竜が鼻の穴を開いたとたんに無数の小ハエ(?)がブーンと飛び出し、崖に落ちたらまたまた無数のこうもりたちが天を覆って飛び回る。この空間再現力と空気の描写力はとても素材がCGIとは思えない迫力でした。

ただ、一番凄いのはHDクオリティを堪能しつつも、結局映画そのものにグイグイ引き付けられて夢中になってしまう事でした。やっぱり面白いですよ『キングコング』は。