蟲師 其ノ弐 [DVD]

蟲師 其ノ弐 [DVD]

二巻目を観ました。

とても毎週放送していたアニメとは思えないほどクオリティが高いですねえ。雪好きとしては３話目の『柔らかい角』しんしんと降る雪に痺れました。また、音がモチーフになっている作品なので、原作を読んだときからアニメが気になっていたのですが、こちらもサウンド・デザインとイフェクトがすばらしく、雪の中をギンコが歩きながらモノローグが重なるシーンなどは非常に微かに環境音を入れ、それからノンモンになった時の効果を際立たせていたのがいいです。蟲が耳に入ってからの、水が耳に入ってしまったときのくぐもりを、位相を逆転させて絶妙に表現していたのが印象的です。
４話目の『枕小路』は怪談風の展開の中に、ミステリーとしてのプロットを加えた作品でこれもまたアニメならではの演出が炸裂していて凄かったです。特に村人たちが”カビ”ていく様子を捉えた１ショット処理が秀逸で、路地に中途半端なポーズで止まっている二つの人影が、手前に大きくフレームインしてきて崩れ落ちる村人から順番に蚊取り線香の燃えカスみたいに崩れていく様子を１カットＦＩＸで捉える。痺れました。
５話目の『旅をする沼』では陽光の降り注ぐ海岸の村を舞台にしたいつもの蟲師とは違ったビジュアルですが、他の深い山間の映像に負けず劣らずすばらしかったです。クライマックスでのほとんど真っ暗な闇夜のシークエンスは暗部表現の限界に挑戦していて、アニメーションとしては非常に珍しいビジュアルが連続してまた良かったです。