男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

父親たちの星条旗

久しぶりに映画館へ行きました。

イーストウッドの最新作で、硫黄島二部作(そうなんだ)の第一弾ですね。

イーストウッド作品で最近顕著だった「黒」の色彩設定に変わって(勿論暗い画面が多いんですけど)、今回は硫黄島のシークエンスに代表されるように彩度を極端に落とした非常に寒々としたルックスが全編を占めていたのが特徴的でした。

アイスランドで撮影されたという硫黄島のロケーションは、CGでの全景ショットなども含めて全編夢の中(悪夢)のような雰囲気を感じて、演出も含めた上で戦闘シーンの高揚感とかは微塵も感じさせない。製作をしているスピルバーグの『プライベート・ライアン』から引き継がれるような上陸作戦も、そこにいるような臨場感を狙ってはおらず、淡々と見せ付けられるという感じでこれも寒々しい。
敵側の日本軍は兵士が数人映るのみで画面には殆ど登場しないんですが、これは元々そういう演出だったのか製作中に『硫黄島からの手紙』の製作を思いついたので仕上げの段階で変更しているのかが定かでは無いのですが、見えない敵に四方八方から襲われる雰囲気はよく出ていたと思います。

映画の最後に『硫黄島からの手紙』の予告編が流れたのですが、処理をしていないからなのか、それとも今作とはルックスを変えているのか、こちらは画面の彩度が普通の状態に見えました。ハッキリと別の映画として仕上げていると考えられるので楽しみです。