男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ナポレオン★ダイナマイト

バス男 [DVD]

以前から観たかったのですが、ずるずると時間が過ぎていくうちにWOWOWでの放送となりました。
ビデオ撮影みたいなことをどこかで読んでいたのですが、恐らくフィルム撮影だと思います。もしくはHD24P。きちんとHD画質での放送で嬉しかったです。
なぜ嬉しかったかと言うと舞台になるアイダホの風景が素晴らしくキレイに観られるからです。あれが美しく見えるか見えないかではこの映画に対する意識がまるで違ってくると言うほど重要だと思います。

とにかく琴線に触れまくりました。

色々と感想とか評判を読むと、ダサいとか頭が悪いとか、それこそ頭の悪い感想ばっかりなので閉口してしまいましたが、この映画って純粋に質の高い青春映画としか思えませんでした。

ウェス・アンダーソン監督の作風も意識していると思いますが、先に書いたアイダホの風景を常に入れ込んだマスターショットや、淡々と主人公ナポレオン・ダイナマイト(素晴らしいネーミング)とその仲間達の生活を一定のリズムである意味脈絡なく紡いでいく感覚が非常に好きです。
そのくせこの手の映画の陥りがちな観客を意識しない脚本ではなく、キチンとクライマックスに向けて幾つものストーリー・ラインが収束していく王道ぶりがとにかく素晴らしい。そしてそのクライマックスのアレは燃えまくりでした。
とかくオタクとかなんとかあれこれジャンルで分けようとしがちですが、ボクにいわせれば「ああいう人間」という以外の何者でもなくて、いざと言う時に行動がともなう人間は素晴らしいですよ。
つまり、これはナポレオン・ダイナマイトという若者と仲間達を描いた青春映画で、オタクの生態観察とか、ダメ人間を笑う映画とか、頭の悪い奴をからかう映画とかでは断じてないです。

それにしてもナポレオン役のジョン・ヘダーと友だちのペドロ役のエフレン・ラミレッツはいいなあ。ボクの大好きな”マネをしたくなる”芝居炸裂。特にエフレン・ラミレッツのペドロは特筆モノで、目の表情から何から全てが脱力していると言う凄さ。なので、最後の最後の表情が活きる!

監督のジャレッド・ヘスも全編淡々としているように見せかけて、Aチームの音楽にのって選挙戦のチラシをバンバン貼っていくシーンでは絶妙のズーミング処理で燃えさせてくれます。クライマックスもズーミングがカッコイイ。

ジャック・ブラックの『ナチョ・リブレ』がますます期待大!