男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

麻雀放浪記 [DVD]

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すんごい面白い

この映画を最初に観たのは確か中学生の頃にゴールデン洋画劇場で。あの歌がかかる予告編を腐るほど観て覚えている。で、映画自体の印象はというと実際には「あんまりおもろないなあ」でした。

当時は(今も基本的には)とどのつまり福本伸行的な世界をギャンブル映画に求めていたので、この映画の麻雀の戦い自体には騙し合いや駆け引きがないのが物足りなかったのだと思います。後、相変わらず麻雀のことを全然知らないのも原因だと思います。ははは。

ところが今回観直すとやたらと面白いんですねえ。

これはやっぱり戦後の雰囲気を物の見事に活写していることや、持論でもある「食べる」シーンなどが非常にイキイキとして世界観へ没入させてくれる和田誠の演出と、素晴らしい役者陣に尽きます。

なんというかもう役者さんが抜群すぎます。

真田広之はさすがにアクション俳優脱皮初期なだけにまだまだ芝居が青臭いんですが(それが役柄にあっているのだからキャスティングは大成功です)、ドサ健に扮する鹿賀丈史はとにかく無茶苦茶良いし、出目徳に扮して美味しいところを根こそぎ持っていく高品格なんて素晴らしすぎる。他にもゼゲンの達に扮した加藤健一と言う役者さんも抜群。

<以下ネタバレ>

相変わらず麻雀のことはわからないんですが、天和(テンホー〜こんな字なんだ)で二回連続で勝ってドサ健をコケにする場面は、鹿賀丈史が「ふざけるなああ!」と立ち上がって電球の傘に頭をぶつけるショットが最高。あれは真似したくなる。
また、最後に出目徳が出した手が当然なんのことやら分からなかったのですが、調べたら「九蓮宝燈(ちゅうれんぽうとうと読むようです)」という大変難しい手だそうです。そして出目徳の末路もその手にまつわる言い伝えを知っていれば納得できるんでしょうね。まあ、あれは凄く良いですよ。身包み剥がされるあたりも、土手をゴロゴロも。

しかし、ホントに面白かったなあ。