地獄の逃避行 [DVD]

地獄の逃避行 [DVD]

映画を観た帰りに寄ったショップに一枚置いてあるのを見つけて購入。期間限定品だったのですが、現在は通常価格で普通に購入可能のようです。

テレンス・マリックのデビュー作なんですが、やっぱり映像に対するこだわりとか、シーンの流れ方などが非常に『天国の日々』に通じます。マリック・タッチとでもいうんでしょうか。

前半は淡々と人殺しの描写が続くんですが、それがあまり不快に感じられない辺りも結構凄い。終盤になっても飄々としているマーチン・シーンが周りの保安官達と和気藹々としている感じも美化しているという感じもしない不思議な映画です。

それにしても『トゥルー・ロマンス』のあのテーマ・ミュージックってそのまんまこの映画のテーマをモチーフにしているんですね。あっちもいいけど、こっちも非常に良くて、あの音楽のおかげでこの独特の雰囲気が生まれているといっても過言じゃないですね。

驚いたのはクライマックスにお約束のようなカーチェイスと銃撃戦があるんですけど、ここがかなり斬新で目を見張るようなショットが散りばめられており、マリックの意外な底力を感じました。

ラストの雲のショットは今まで観たことが無いようなショットで、こういうショットが撮れる監督っていうのは、やはり映画の神様がどこかで味方しているような気もします。