電車男最終回
いやあ………
ボクは「燃え」に関してはかなり理解があるつもりでしたが、「萌え」に関してはすっかりまったくまるっきり理解が無く、「一体全体何をもって”萌え”というのか?」という感じです。
そんなボクの中で恐らく唯一理解可能な「萌え」が、この最終回を観ていて分かりました。
電車男が電車をモチーフにしており、オープニングの映像をはじめとして全編に実は密かに(密かにでもないのか)擂り込まれていた要素が「銀河鉄道999」なのは明白で、最終回では思いっきり蒸気機関車と古臭い車両まで再現していました。そして、伊東美咲と伊藤淳史の身長差が決定的にあの二人の再現であることが。
ボクは初恋の人がメーテルだとあらゆるところで公言しているのですが、それが転じて完全に「背の高い女性」フェチになってしまっているのです。
そこに加えて伊藤淳史とのあの身長差はまさしくメーテルと鉄郎のそれ。
そして、クライマックスのエルメスからのキスシーン! あの身をかがめて背の高い女性からキスをするアレ!!
初めて「萌え」を理解しましたよ。*1
それにしてもクライマックスの告白シークエンスは凄かったなああ。石丸電気のネオンの淡い照明効果も交えて、伊東美咲が無茶苦茶きれいに映されていたのは衝撃的でした。別人なんじゃないかと思うほどでした。しかも、伊藤淳史の涙を拭いながら「うん…うん…」と言うあの言い方…まさに「萌え」。
思えばこの伊東美咲演じるエルメスのキャラクター造型もボクにはツボで、徹底的に折り目正しく敬語を使うあたりは強烈でした。二人で公園のベンチでイチャイチャする融点突破のシークエンスでも、おそろいのネックレスをプレゼントして、「高価なものでは?」と訊き「ありがとうございます」と感謝する電車に「いえいえ」
「いえいえ」!!!!!
萌え!!!!
これはもう古畑任三郎の3rdの最終回で、人質の安否を尋ねた江口洋介が、その無事を確かめて言う一言
「なによりです」
に匹敵するドラマの中の名敬語ですな。(もちろん「いえいえ」が敬語かどうかはこの際どうでもいい)
あと
「はい」
も良いよなあ。ボク自身も「はい」と返事をする人間で、よくキョトンとされたり笑われたりするのですが、「はい」って良い返事だろうに。
それにしてもボクの中では伊東美咲は背が高い女性なのに、全然琴線に触れなかったのになあ……
今じゃ資生堂のCMも飛ばさなくなる始末ですよ。
まあ、「萌え」は措いといて。
ドラマとしても90分枠を使ってクライマックスを徹底的に描くという贅沢な構成はバッチリで、それぞれのキャラのエピローグは元々コメディなだけに、実にコメディ・タッチにまとめてあるのも好感が持てました。どんどんキャラが無茶苦茶になってきた陣釜さんや豊原さんは最後までぐっちゃぐちゃで良かったです(宇宙のファンタジーいいよなあ)。
また、本当のクライマックスが電車男とネットの住人達との別れというのも、かなり最高でした。このドラマのメインはやはりネットの住人と電車とのディスカッションにある訳で、あらゆるイフェクトで割り込んでくる住人の反応はグっと来るものがありましたし、卒業式のカウントダウンは1つも飛ばさずに1000までいくあたりに製作陣の愛を感じました。(「熱中時代」の最終回で生徒の通信簿を誰一人飛ばさず渡すのと一緒)
散々引っ張った電車男のお母さんが、なんと戸田恵子ってのも素直にビックリしました。久々のマチルダさんの声は相変わらず凛としていていいです。しかも台詞が「そこの剛司!」って。
エピローグもグダグダせずにクレジットにかぶせるだけってあたりも実に良かったと思います。
もう、何回も観ちゃってますよ最終回。
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