男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

翼よ!あれが巴里の灯だ

とりあえず、こちらの作品リストをみていただくとして

http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=1496

ビリー・ワイルダー監督の監督リストなんですが、この映画が作られた1957年に

「昼下がりの情事」
「同作」
「情婦」

の三本があったりする。

前後を見渡しても短期間に恐ろしいほど傑作揃い。

凄いなあ。


大西洋無着陸単独飛行という偉業を成し遂げたリンドバーグの自伝なのですが、リンドバーグの飛行中の描写はどういうものなのだろうという興味で観ていました。

前半部分は出発前夜の眠れない夜に準備期間の苦労をフラッシュバックさせる構成、後半部分は飛び立ってからの道中に自分の過去をフラッシュバックさせる構成。どちらも観ているものを退屈させない上に、ユーモア満点でワイルダーの特徴がよく出ていて楽しめます。

で、後半の飛行中にはなにがあるのだろうと思っていたのですが、これが想像以上に危機又危機で大満足でした。
初っ端の離陸からして、雨のせいで滑走路がぬかるんでいてピンチ。
前の夜も寝ていないので、初っ端から睡魔との闘いになってはらはらドキドキ。
夜になったらなったで機体が凍り付いてこれまた大ピンチ。
夜が明けたらコンパスが壊れているので方向が分からなくてピンチ。
そして、また睡魔が襲ってきて大ピンチ。(この場面のいろんな意識が錯綜して計算をしようとしたりして、またその計算がよくわかんなくなったりする場面はリアリティ抜群。しかも寝ちゃった時の助かり方が映画的小道具の極めつけで、うなりましたね。ちなみに、何故か「マジンガーZ対暗黒大将軍」でもパクられてましたけど)
しかも、あと1時間で着くぞ!と大喜びし、身だしなみを整え始めて「とりあえず顔を洗わなければ」と水筒の水で顔を洗い始めると(最高!)、突然音がブツっと途切れる。エンジンへの燃料供給を機体に散らしたタンクから一時間毎に切り替えるのを間違えてエンスト! 本当に音がノンモンになるので、一瞬ビビリます。巧いなあ。

ラストなんて感動ですよ。

自分が到着したのをえっらい人数の人が駆けつけて大喜びするんですが、リンドバーグの第一声は

「飛行機が心配だ」

ですからね。

原題の「スピリット・オブ・セントルイス」がその飛行機の名前で、飛行機とリンドバーグが一緒に成し遂げた偉業であることが強調されていて好きです。