男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

エデンの東

シネマスコープ

ジェームズ・ディーンとの出会いは出演の順番とちょうど逆になる。

映画はいやらしいものと決め付けてまったく観る気もなかった小学校低学年の頃、有線でコントロールできる平らな戦車を組み立てている時、テレビで流れていた映画で石油まみれで大喜びしている男の人がいたのですが、これがジェームズ・ディーン最後の映画である「ジャイアンツ」。勿論そんなこと知るわけがないので、それとしったのは随分後に観なおした(初めて観たというべきでしょうが)時でした。

「あ! これだ!」

と言う具合に。

実質的に初めて観た映画は、たびたび書いているTBSノーカット十週と言う番組で放送された「理由なき反抗」。

これが実にいい映画でね。池田秀一(シャアの声)のアフレコも最高。ヒロインのナタリー・ウッドがお父さんに口紅を引っ剥がされる場面が凄く可哀想でねえ。

で、デビュー作であるこの映画。

当時はビデオがトリミングサイズしかなかったので、仕方なくそれを観たのですが、ワーナーの当時のトリミングは結構酷くて、「シネスコだったらいい映像なんだろうなあ」と夢想しながら観たのを覚えています。

ただ、それは冒頭の頃だけ。

映画が進むにつれてすっかり夢中になったのを覚えています。

ジェームズ・ディーンの芝居が凄くて凄くて。映画の中で母親が言う台詞に「本当に憎めない子だよ」とあるのですが、まさにこれを体現しちゃっていて、本当に共感を誘うんですね。親父の愛を得られないとか、そういうストーリー的なモノもあるのですが、そんなの抜きにしてあの仕草や表情がもう。

今回シネスコで見直すと、やっぱりシネスコの構図を活かした演出が全開。シルエットを入れ込むあざといぐらいの絵作りが素敵です。

それでもジェームズ・ディーン扮するキャルが、お父さんに抱きつく場面ではそういう考えも吹っ飛ぶほど感情移入してました。

レナード・ローゼンマンロボコップ2)の音楽は実に素晴らしいんですが、全編のあらゆる場面で感情表現にイチイチつけられているのはいささか閉口しました。まあ、時代を感じさせると言う感じですかね。(いや、昔だろうがなんだろうが要所要所にしか音楽を入れない監督もいるし、効果的に入れる人もいるから、時代は関係ないな)